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2026.01.06 15:00

2025年、AIブームで生まれた注目の「新ビリオネア」15人

(写真左から)アントン・オシカ、ブレンダン・フーディ、ルーシー・グオ(Getty Images)

テック企業間で人材争奪戦が発生、データラベリング企業の評価額が高騰

AI開発をめぐる競争は、モデルやデータセンターだけにとどまらなかった。テック企業の間では、高額な報酬を提示して有力なAI人材を引き抜く人材争奪戦が繰り広げられた。その象徴となったのが、6月にメタがデータラベリング企業Scale AI(スケールAI)の株式49%を、140億ドル(約2.2兆円)超で取得した取引だ。

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この取引に伴い、Scale AIの共同創業者兼CEOであるアレクサンダー・ワン(28)は、メタの最高AI責任者として同社に加わった。彼は、同社の持ち分によって2022年に初めてビリオネアとなっていた。Scale AIの評価額を約290億ドル(約4.5兆円)とするこの取引は、思わぬ形で別の記録も生んだ。2018年に同社を離れたものの株式を保有し続けていた共同創業者のルーシー・グオ(31)が、推定14億ドル(約1872億円)の資産を持つ「世界で最も若い自力で富を築いた女性ビリオネア」に浮上した。

メタによるScale AIへの出資が影響し、競合企業の評価額も約3.7兆円に

メタによるScale AIへの出資は、他のデータラベリング企業が存在感を高めることにもつながった。Scale AIの競合Surge AI(サージAI)の創業者エドウィン・チェンが保有する推定75%の持ち分の価値は、約180億ドル(約2.8兆円)に上昇した。フォーブスは、2024年の売上高が12億ドル(約1872億円)の同社の評価額を240億ドル(約3.7兆円)と推定している。

データラベリング企業Mercor(メルコア)は10月、2億5000万ドル(約390億円)の資金調達を実施し、評価額が100億ドル(約1.6兆円)に到達した。この結果、いずれも22歳の共同創業者3人は、それぞれが推定(約3432億円)の資産を持つ、史上最年少の自力で富を築いたビリオネアとなった。

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画像や動画の生成AIが注目を集め、マルチモーダルAIに巨額資金が流入

9月、OpenAIの「Sora 2」が公開されると、AIが生成した画像や動画がSNSのタイムラインを席巻した。画像、動画、音声を組み合わせたマルチモーダルAIに取り組むスタートアップには、数十億ドル規模の資金が流れ込んだ。なかでも注目を集めたのが、AI音声生成スタートアップのElevenLabs(イレブンラボ)だ。同社は10月、評価額66億ドル(約1兆円)で1億ドル(約156億円)の資金調達を実施し、共同創業者のマティ・スタニシェフスキとピオトル・ダブコフスキの2人はビリオネアの仲間入りを果たした。

職場でのAI利用率が上昇、AIを積極的に事業に取り入れた企業でも創業者がビリオネアへ

職場におけるAIの利用も急速に広がっている。ギャラップの調査によると、業務でAIを使う人の割合は、2023年の11%から2025年は23%に上昇した。開発者の間では、その比率はさらに高い。マイクロソフトのサティア・ナデラCEO(彼もAIの追い風を受けて新たにビリオネアとなった)は2025年、同社のコードの最大30%がAIによって書かれていると明らかにした。

フォーチュン500企業の半数以上が利用するAIコード作成ツール「Cursor」を販売するAnysphere(エニイスフィア)の評価額は、11月に290億ドル(約4.5兆円)に達した。これにより、同社の共同創業者4人はすべてビリオネアとなった。ビデオゲーム会社のPaper Games(ペーパーゲームズ)、翻訳ソフトウエア大手のTransPerfect(トランスパーフェクト)、中国のAIロボットメーカーOrbbec(オルベック)など、AIを積極的に事業に取り入れた企業も、創業者をビリオネアへと押し上げた。

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翻訳=上田裕資

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