中国はデフレに苦しんでいる。一方、日本と米国は、3%前後のインフレ率が新たな常態となるのを防ぐために苦戦している。2026年を迎えた今、スタグフレーションが世界経済にとって真の課題となる可能性はあるのだろうか?
日本は既にその境地に至っている。国内総生産(GDP)が頭打ちとなる中、日本政府は深刻な状況に直面している。25年第3四半期のGDPは前年同期比2.3%縮小し、それ以降のデータも回復の兆しを示していない。
平均所得も伸び悩んでいる。同年10月時点で実質賃金は10カ月連続で下落した。この賃金と物価の乖離(かいり)が、日本銀行の利上げサイクルを複雑化させている。植田和男総裁率いる政策委員会が過度に金利を引き上げれば、日銀は景気後退の責任を問われる可能性がある。他方で、利上げのペースが遅すぎると、トレンドを上回るインフレが定着してしまう。
米連邦準備制度理事会(FRB)も同様のジレンマに直面しているのだろうか? 米投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントのトーステン・スロク博士は、その通りだと答え、FRBが今年まさにこのジレンマに陥るだろうとの見方を示した。「特に人工知能(AI)が期待通りの成果を上げない場合、依然として逆風が吹く可能性があり、スタグフレーションはリスクだと考えている。インフレが非常に根強く、向こう6カ月間で上昇するリスクがあることを踏まえると、米連邦公開市場委員会(FOMC)にとっての核心的な問題は、このような環境下で果たして利下げを実施できるのかという点になる」
FOMCは12月、25年に入って3度目の利下げを実施した。ところがその数日後、米国のGDPが第3四半期に4.3%成長したという知らせが届いた。これは、FRBが利下げを決定した意図に対して疑問を投げかけることとなった。一方で、失業率は11月に4.6%に上昇した。スロク博士は、FRBは引き続きスタグフレーションを予測しており、26年にはインフレ率と失業率がともに上昇する可能性を懸念しているのだと説明した。



