ドナルド・トランプ大統領は現地時間1月4日、ベネズエラのインフラを「修復」し、同国が有する豊富な石油資源を活用するために米国の石油企業を送り込む意向を示した。これを受け、1月5日の取引開始直後に金と銀の価格が上昇し、米国の大手石油会社の株価も急騰した。これは、米国がベネズエラ大統領のニコラス・マドゥロを拘束してから数日後のことだ。
5日朝の時点で、金のスポット価格は直近1日で2.1%上昇し、約4441ドルとなった。銀は5.2%上昇して77ドルを超え、金先物は2.3%超の上昇となった。また、銀先物は7.6%急騰した。
金をはじめとする貴金属は、地政学的な不確実性が高まる局面において、安全資産と見なされることが多い。このような状況では、投資家が米ドルの代替として貴金属に資金を移す傾向がある。
現在ベネズエラでの石油の採掘と輸出を認められている唯一の米国の大手企業であるシェブロンの株価は、この日5.4%上昇した。同社と競合するエクソンモービルも2%上昇し、コノコフィリップスは5.6%上昇した。
油田サービス企業であるSLB(シュルンベルジェ)の株価は8.2%超急騰し、ハリバートンとベーカー・ヒューズもそれぞれ8.3%、5%上昇した。
トランプ大統領が語った、ベネズエラにおける米石油会社の役割
4日の夜、エアフォース・ワンの機内で会見したトランプは記者団に対し、米国はベネズエラを「掌握している」と述べ、暫定政権が適切に振る舞わない場合には、さらなる攻撃を実行する用意があると語った。さらにトランプは、「我々には完全なアクセスが必要だ。石油へのアクセス、そして彼らの国を再建するために必要な他のあらゆるものへのアクセスだ」と述べた。
トランプは続けて、「大手石油会社を現地に送り込み、それらの企業がインフラを修復し、資金を投資することになる」と説明しつつ、米国政府自身は一切資金を支出しないと強調した。この計画に関心を示している石油会社があるかと問われると、トランプは「基本的に全社だ。彼らはどうしても入りたがっている」と答えた。
石油会社の公式な反応は控えめ
米国の石油会社がベネズエラに進出し、インフラや石油生産に多額の投資を行う可能性についてトランプが語る一方で、各社の公式な反応は控えめなものにとどまっている。週末にかけて、シェブロンは複数のメディアに対し、「当社は従業員の安全と福祉、そして資産の健全性に引き続き注力している。すべての関連法規および規制を完全に順守した形で事業を継続している」と述べた。
また、コノコフィリップスはロイターに対し、ベネズエラ情勢を「注視している」とした上で、「将来の事業活動や投資について推測するのは時期尚早だ」と付け加えた。



