(4)古いファイルを定期的に削除する
調査によると、デジタル・クラッターへの対処が理由となって、作業の回避や先延ばしが生じていると答える従業員は47%に上る。若手のビジネスマンの場合、この割合は59%にまで上昇する。溜まったファイルの重みによって、新しい仕事を始めるハードルを越えられなくなるのだ。
実践のためのヒント
・毎週金曜に15分間、デスクトップとメインの保存場所を見直す。重複しているファイルや、古い下書きのほか、完了したプロジェクトに関するファイル(すぐにアクセスできる必要のないもの)を削除する
・90日以上前のメールは、定期的に参照する情報が含まれていなければ、アーカイブする。メールサービスは、容量が無制限なものがほとんどだ。アーカイブなら、完全に消えることはない
・ダウンロードフォルダーにも、同じ原則を適用する。ダウンロードフォルダーは整理したことがないという人が大半で、忘れられたファイルの墓場になっている。適切な場所にコピーしたものや、不要になったものはすべて削除しよう
(5)「仕事の依頼」を受け付ける窓口を絞る
メール、Slack、Teams、SMS、対面など、仕事の依頼を受けつける窓口が複数ある人は多い。すべてのチャネルを監視する必要があると、チャネルの切り替え時に注意力が途切れて、抜けや漏れのリスクが高くなる。
連絡手段が多すぎることのコストは、返信が遅れたり、締め切りに間に合わなかったり、「何か忘れている気がする」という不安が付きまとったりといった形で顕在化する。仕事の窓口がいくつもあると、完了したという感覚がいつまでも得られない。
実践のためのヒント
・仕事を受けるメインのチャネルを1つに決めて、チームや上司にはっきりと伝える。メールがいいという人が多いだろう。文書で記録が残るし、よく考えて対応できる
・所属組織がプロジェクト管理ツールを採用しているのなら、タスクの割り当てを、すべてそのシステムを経由させるように提案する。皆の可視性が高まり、複数プラットフォームにまたがる管理が不要になる
・メインではないチャネルで仕事を割りふられた場合は、とりあえず「受領しました」と伝えた上で、詳細をメインの窓口に送るように依頼する
集中できる環境を取り戻すために
現代の働き方の場合、デジタル・クラッターはどうしても生じてしまう。しかし、それに振り回される必要はない。これからの1年、勢いを得られるプロフェッショナルは、整理というものを、完璧を目指すためのものではなく、摩擦を減らし、集中した状態を維持するための仕組みとして捉える人だろう。
まずは本稿で挙げた対処法の中から、変えることを1つ選び、時間をかけて定着させてほしい。目標は、「完璧なデジタル環境の構築」ではない。目指すのは、クリアな思考と迅速な実行であり、「キャリアの前進につながる仕事」に注ぐエネルギーを増やすことだ。


