何百件何千件もの未読メール、デスクトップ画面に散乱した資料や画像のファイル、ブラウザーで開いたままの大量のタブ。これら未整理のデジタル情報は「デジタル・クラッター(Digital Clutter)」と呼ばれ、職場の生産性を大きく低下させる要因の1つになっている。
情報の整理整頓は、昇進や報酬につながる可能性がある
例えばPDFソフトウェア企業Smallpdfが行なった調査によると、ビジネスの現場では、アクセスしたことのあるファイルやメール、リンクをあらためて探すのに、毎週平均して4.5時間が費やされているという。1年に直すと、整理不足によって29日分の労働時間が失われていることになる(1日8時間労働で計算)。
代償は時間にとどまらない。この調査では、キャリア面における明確な不利益も指摘されている。デジタルワークスペースをほとんど整理しない人は、毎週整理する人と比べると、昇進の可能性が半分になるのだ。
また、給与の伸びも遅くなる。平均昇給率は、整理している同僚が6.2%であるのに対し、整理していない者では2.5%にとどまる。ファイルが見つけにくかったり、対応が遅れたりすることで生産性が下がる──それが、昇進や報酬にそのまま影響するのだ。
新しい年を迎えたこの機会に小さな改善を始めれば、集中力を取り戻し、仕事の流れを立て直すことは可能だ。本稿では、職場のデジタル・クラッターを減らすためにすぐに始められる対処法を5つ紹介しよう。
(1)進行中のプロジェクトを保存するメインの場所を1つ選ぶ
進行中のプロジェクトが複数プラットフォームに散らばっていると、あらゆる作業が「探すこと」から始まることになる。
今回の調査によると、財務のプロフェッショナルは、週に6.1時間をファイル探しに費やしているほか、ハイブリッドワーカーも週に5.2時間をデジタル・クラッターで失っている。こうしたまとまりのない環境では、実際の仕事に取りかかる前に、大きなマイナスを背負うことになる。
実践のためのヒント
・進行中のプロジェクト用に、メインの保存場所を1つ選び、1カ月間そこに統一する。デスクトップ上のフォルダーでもいいし、クラウドストレージや、プロジェクト管理ツールを選んでもいい
・プロジェクトの開始時には、フォルダーを作成してわかりやすい名前を付ける。そして、そのプロジェクトに関連するファイルはすべて、すぐそこに保存する。ダウンロードフォルダーやメールにファイルを溜め込まないようにしよう
・メールで受け取ったファイルは、すぐにメインの保存場所に移動させて、メールの添付ファイルは削除する



