ドナルド・トランプ米大統領は3日、夜間に実施した軍事作戦でベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領とシリア・フローレス大統領夫人を拘束したと発表した。「適切な」政権移行が行われるまで、米国がベネズエラを運営する考えも示した。
マドゥロは1日に公開されたインタビューで、トランプとの協議に前向きだと語っていたばかりだった。マドゥロによれば、トランプと2025年11月21日に和やかで「心地よい」10分間の電話会談を行っていたという。だが米国は以後、麻薬運搬船だとするボートに対するさらなる攻撃、石油タンカー少なくとも2隻の拿捕、追加制裁、海上封鎖など行動をエスカレートさせた。
トランプは次は地上侵攻だとも警告していたが、米国内でベネズエラに対する軍事行動への支持は乏しく(クイニピアック大学の世論調査によると支持はわずか25%)、米軍部隊がベネズエラに展開する見込みは薄いとみられていた。ただ、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官は昨年9月以降のボート攻撃について、もともとベネズエラの体制転換が狙いだったことを示唆していた。
マドゥロの提案をトランプは拒否
報道によると、マドゥロは昨年11月の電話会談の際、米国の侵攻を回避するため、自身と家族、側近に対する完全な恩赦を認めることや、自身が軍の統制権を保持することを条件に、ベネズエラを去ることをトランプに提案していた。さらに、新たな選挙が行われるまでの暫定政権をデルシー・ロドリゲス副大統領が率いる案も提示したという。
だがトランプから見れば、マドゥロがベネズエラを即時退去するのを拒み、一連の対抗条件も突きつけてきたことは、権力の座から降りるという本気の申し出がないということだった。マドゥロは当初の退去案を拒否することで、トランプの言動をはったりとみていることを示したとも言える。また、マドゥロとその政権に対しては、人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)が捜査を続けており、マドゥロはそれにさらされた状態で権力を手放すことも受け入れられなかったようだ。
亡命を選ばなかった独裁者の末路
マドゥロには自発的に出国する機会が与えられていたが、多くの独裁者は亡命前に訴追の免除や快適な生活の保証を求めることが多い。研究によると、亡命を選んだ独裁者はその行き先に別の独裁国家を選ぶ傾向にある。



