その他

2026.01.05 08:00

ベネズエラの統治は今後どうなるのか 米国がマドゥロ大統領を電撃拘束

米首都ワシントンで2026年1月3日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領拘束の様子を見守るドナルド・トランプ米大統領(中央)ら(Donald Trump's Truth Social Account/Anadolu via Getty Images)

次に何が起こるのか

ベネズエラの憲法では、大統領が不在となった場合、副大統領が権限を引き継ぐと定められている。この規定に従えば、ロドリゲスが暫定大統領の役割を担うことになる(編集注:ベネズエラの最高裁判所は3日、ロドリゲスに大統領職の代行を命じた)。米国が支配する間、2024年のベネズエラ大統領で野党統一候補だったエドムンド・ゴンサレス・ウルティアや、2025年のノーベル平和賞受賞者であるマリア・コリーナ・マチャドら民主派勢力と、マドゥロ体制側との間で権力闘争が起こるのかは見通せない。

advertisement

とはいえ、ベネズエラに関して最も懸念されるのは政治闘争ではない。ベネズエラのディオスダド・カベージョ内相は、ベネズエラ軍部隊が全土に展開していると主張した。他方、首都カラカスでは、民間人の武装集団がガソリン缶を携行して通りに繰り出しているとの報道もある。これらの集団は、米国が攻撃すれば行動を起こすとマドゥロが警告していた武装政治組織のネットワーク「コレクティーボ」の一味である可能性が高い。彼らは不安定化をもたらす可能性のある暴力集団のひとつにすぎず、ほかにもコロンビア系の「民族解放軍(ELN)」をはじめとするゲリラ・麻薬密売組織などが問題を引き起こすおそれもある。

ベネズエラ軍も、新たな政権や米国の支配の受け入れを拒む可能性がある。マドゥロ体制下で軍は多大な利益を得ており、新たな体制に対して反旗を翻すことも考えられる。

マドゥロの失脚を歓迎するベネズエラ国民やベネズエラ系米国人がいるのは確かだろう。しかし、ベネズエラはいま、状況が一気に不安定化しかねない岐路に立っている。指導者が自発的に亡命するような体制では、政権交代が比較的円滑に進む傾向にあるが、指導者が最後まで権力にしがみつくような体制では不確実性がもっと高くなる。治安部隊が分裂したり、武装集団が機会を捉えて行動を起こしたり、あるいは国が長期にわたる政治危機に陥ったりしかねない。

advertisement

マドゥロの拘束は、ベネズエラにとって、さらには地域全体とって、はるかに予測困難な章の始まりにすぎない。米国がこれをどのように管理していくのかは不透明だ。

SEE
ALSO

経済・社会 > 経済

トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事