「ディーゼルショック」は過小評価されていないか?
2025年、原油価格は大幅に下落した。中国での需要減退や供給過剰への懸念が重しとなり、北海ブレント原油の先物は年初来で約20%値下がりした。
一方で、国際エネルギー機関(IEA)によると、ディーゼル燃料を含む中間留分の在庫は多くの地域で記録的に逼迫した状態が続いている。
なにも筆者は、原油価格がすぐに急騰すると予測しているわけではない。だが、ディーゼル燃料に起因するインフレリスクは市場で過小評価されていると考えている。そして政府がインフレリスクを過小評価すると、対応が遅れ、結果として過剰な引き締めになりがちだ。こうした展開が市場にとって良い結果になったためしはほとんどない。
そういうわけで筆者としては、たとえ原油価格が下落していても、実物資産への分散投資は引き続き魅力的だと判断している。
金による分散投資
このコラムで何度も論じてきたとおり、不確実性やインフレリスクが高い時期に、歴史的に良好なパフォーマンスを示してきたのが金(ゴールド)である。金価格は2025年末にかけても上昇し、12月26日には1トロイオンス4500ドル超と史上最高値を更新した。年初来では約65%上昇し、株式、債券、商品を含む主要な資産クラスの大半を大きく上回る上げ幅となった。
要因としてはまず、金融政策が金を浮揚させる方向に転じつつあることが挙げられる。歴史的に、利下げ局面やバランスシート拡大の時期は金にとって追い風となってきた。
米ドルも下落基調にある。ドル安もまた、伝統的に金にとって最も信頼できる追い風のひとつとなってきたものだ。
さらに、地政学リスクは依然として高く、それはベネズエラ情勢に限らない。国際的な金業界団体であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、ロシアとウクライナをめぐって続く緊張、中東情勢、複数の地域で高まる不安定性などに言及している。
こうした理由から、筆者としては引き続きポートフォリオの10%を金に配分することをお勧めする。うち半分を現物の金地金、残り半分を高品質な金鉱株に投資するのが望ましい。年に少なくとも1回はリバランスを行うこともお忘れなく。


