欧州

2026.01.02 09:00

ウクライナ交渉団に加わったブダノウ情報総局長、先行きを「楽観」 独占インタビュー

ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノウ総局長(Laurent Van der Stockt for Le Monde/Getty Images)

ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノウ総局長(Laurent Van der Stockt for Le Monde/Getty Images)

ウクライナでの戦争は世界と歴史の流れをいくつもの面で変えてきた。とりわけ、情報戦から技術競争まで戦争のあり方そのものを変容させ続けている。こうした地殻変動的な変化はあまりに決定的に見えるので、人はそれを自然の力になぞらえて受け止めがちだ。構造的な圧力の結果としてただ「起こる」ものだというふうに。だがもちろん、これは自然に起こっていることなどではない。そこには人間の「作者」が存在する。

ウクライナ側のドローン(無人機)ロボティクスや精密攻撃の驚異的な進化、綿密な諜報活動に基づく燃料施設や海軍・陸軍目標に対する目を見張る長距離攻撃、ロシアという途方もない「ゴリアテ」による侵略に対する一連の非対称抵抗──。これらはすべて人間の努力、個々の英雄的行為の所産だ。多くは無数の設計図やコンピューター画面上から始まるが、かなりの程度、上層部によって調整・展開されている。時おり、それを担う影の人物たちにスポットライトが当たり、その姿を垣間見ることができる。

そうしたリーダーのひとりで、戦争革命の主たる設計者と呼んでもいいかもしれない人物が、ウクライナの情報機関を率いるキリロ・ブダノウだ。彼は最近、和平合意をめぐりドナルド・トランプ米大統領の米国代表団などと直接交渉するチームにも加わった。

ブダノウは2020年にウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領から国防省情報総局長に任命され、以来、静かに地位を高めてきた。現時点で、ゼレンスキーの右腕として隣に立つ人物として、ブダノウほどふさわしい人物はほかに見当たらない。それはたんに職務上必要な能力という点だけでなく、この歴史的な局面に必須の資質、さらに国民が今日、こうした地位にある公人に求めている要件という点でもだ。すなわち、超有能で、汚職と無縁で、透明性があり、そして何より誠実さで知られるリーダーという条件である。

ブダノウは最近も表舞台に姿を見せた。2025年12月、地元メディアのフォーラムに出席し、その内容は国内で広く報じられた。ブダノウはこの場で、ロシアは欧州に対して軍事行動を起こす準備を進めており、バルト諸国に侵攻して占領することや、ポーランドを攻撃することを計画していると警告した。ロシア側の計画で行動開始の準備が整う年は以前は2030年と想定されていたが、現在は2027年に前倒しされているという。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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