リーダーシップ

2026.01.03 18:00

部下の疲労やエネルギー変動を考慮し、チームの長期戦略を立てるための「3つのヒント」

Shutterstock.com

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多くの戦略は、目標やスケジュール、リソースを中心に構築される。人のエネルギーを中心に据えたものはほとんどない。リーダーたちは、人々のやる気は恒常的に存在し、努力は伸縮自在であり、集中力はいつでも呼び出せると考えている。紙の上では、計画は厳密に見える。しかし実際には、疲労によってしばしば崩壊する。

崩壊するかしないかの差は、能力ではない。キャパシティー(余力)だ。人間のエネルギーは変動する。集中力は、高まったり低下したりする。やる気は、週単位でも四半期単位でも、あるいは日単位でさえ、均等に分散して存在することはない。それにもかかわらず、戦略計画は常に、開始から終了まで、一定の努力ができると想定している。

戦略がこうしたリズムを無視すると、実行に支障が出る。チームが期限に間に合わないのは、スキル不足ではなく、計画が回復のための時間をとらず、集中を持続的に要求するためだ。その結果、やる気は低下し、創造性は薄れる。リーダーは、さらに強くプッシュすることで対応するが、それは問題を深刻化させるだけだ。

人間のエネルギーに逆らわず、エネルギーと調和するような戦略は、人々の野心を低下させず、持続可能なものにするのだ。

「パフォーマンスを形づくるリズム」を理解する

人間のやる気には周期がある──心理学者は以前から、集中力や意志力、認知的持久力は、仕事の量や回復、そして意味の認識に基づいて増減することを示してきた。人は、短時間なら全力疾走できる。しかし、絶えず全力疾走を求められると苦しくなる。

これこそが、勢いよく始まった取り組みが、やがて停滞する理由だ。初期段階は、新奇性と緊急性によって支えられ、エネルギーは高い。その後、仕事がルーティン化すると、モチベーションは変化する。意図的な刷新がなければ、勢いは衰える。戦略文書はこの落ち込みをほとんど考慮しない。コミットメントが最後まで支えてくれると想定しているのだ。

社会的なリズムも存在

社会的なリズムも存在する。チームワークは、努力の共有を実感しているときにピークに達し、孤立を感じるときには衰退する。進捗が目に見えるときはモチベーションが上がり、仕事の成果が目に見えないとモチベーションは下がる。リーダーは多くの場合、単に「成果が見えること」からどれほどのエネルギーが生まれるかについて過小評価している。

これらのパターンを無視すると、おなじみの悪循環に陥る。エネルギーの低下を、従業員は疲労として経験する。リーダーは、抵抗や不振と解釈する──双方がシグナルを読み違えるのだ。本当に欠けているのは、実際の働き方に合った戦略的設計だ。

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翻訳=米井香織/ガリレオ

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