働き方

2026.01.06 11:30

職場の「頼れる人役」はかえってキャリアの邪魔になる

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助けることで「評価が低下」

皮肉なことに、常に誰かを助けることがその人にもたらすのは、疲労だけではない。周囲の人からの評価が下がる場合もある。同僚たちは、その人を「リーダーではなくヘルパー」と見なすようになり、上司は頼りにしつつも、戦略立案に必要な人材とは見なくなる可能性がある。結局のところ、報われるのはいくらでも余計な仕事を引き受ける人ではなく、きちんと自分の「境界線を守る」人だ。

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心理学者らは、このようにして報われなくなることを「能力(競争力)の罠」と呼ぶ。あまりにもうまく人助けをしていると、そのうちに「洞察力や創造力のある人」ではなく、「誰かを助ける人」、物事を円滑に進めるために必要な人だとみなされるようになる。そうした役割を果たす人も、重要ではある。だが、それを担うことは、ほとんど昇進につながらない。

こうした状況に置かれた人が怒りを募らせるというリスクもある。何でも引き受けているうちに、周囲はその人を「優先順位を持たない」人だと勘違いするようになる。無意識のうちに、その人の時間にはそれほど高い価値がないのだと考えるようになる。当初は責任感を示していたはずの行動が、かえって周囲から尊敬されなくなるという結果を招く危険性があるということだ。

「断る」ことで高まる影響力

意外に思えるかもしれないが、頼まれごとに「ノー」と言えることは、キャリア戦略において最も強い力を持つことの1つだ。断ることは、利己的なことではない。それは、仕事で最高の結果を出すための力を温存することだ。明確に境界線を引くことによって、同僚はその人の時間と判断力を、どちらも尊重するようになる。

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結局のところ、より重みがあるのは、いつでも返ってくる「イエス」ではなく、選択の結果としての「イエス」だ。本当に必要なときにだけ手を貸すようにすることで、その貢献はより大きな関心を集める。そして、周囲はその人を何でもきいてくれる人ではなく、優先順位をうまく付けられる人だとみるようになる。

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編集=木内涼子

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