エベレストをめぐるルール
当然ながら、エベレスト登山には多くのルールがある。最も注目されるのは、新たに提案された「7000メートル規則」である。エベレストに挑戦する前に、7000メートルを超える峰を少なくとも1つ登頂した実績を含む高所経験を、すべての登山者に求める内容だ。
カトマンズ・ポストは、今「無料」で登れるようになった新たな97峰を推進することで、エベレストに向かう前に7000メートル規則に必要な経験を積む理想的な訓練場になり得ると論じている。
エベレスト登山には4万〜6万ドル(約626万〜939万円)がかかる
2024年、ネパール最高裁は、エベレストの登山許可(パス)の件数を政府が制限すべきだと提案し、収容能力を尊重する必要があると主張した。
登山者1人当たりの許可料は現在、ピークシーズンで1万5000ドル(約235万円)となっており、従来の1万1000ドル(約172万円)から増額されている。
実際の費用は、すべての物流面の手配や、許可取得を現地企業が手配するために必要な法的費用を含めると、登山者1人当たり4万〜6万ドル(約626万〜939万円)になる可能性が高い。
新たな峰は、エベレストと同じ問題を避けるため慎重な管理が必要
国際山岳連盟(UIAA)は声明で、ネパール政府のこの取り組みを祝福した。UIAAは6大陸にまたがり、73カ国の94の加盟協会・連盟を代表する組織で、この措置がネパール・ヒマラヤのより人気の高い地域を助けると考えている。人気地域は「過密になりやすく、汚染の増加や、登頂の試みにおける長く危険な待ち時間といった負の副作用の影響を受けやすくなっている」という。
UIAAはまた、登山者がエベレストからさらに遠方へ移動することで、地域社会により多くの雇用機会がもたらされる可能性があるとも述べている。
さらにUIAAは、許可料の免除は大した違いを生まないと感じる登山者がいるという点にも触れている。新地域へのアクセスは、インフラ不足のために費用がより高くなり、重大な課題を伴うからである。それでもUIAAは、新たに開かれた地域への訪問を促すことが、将来世代の登山者にとっての機会拡大につながり、その効果が上回るとみている。
したがって、ネパール政府によるこの計画の長期的な影響は、手数料免除に加えて、当局がインフラへの投資、廃棄物管理、厳格な安全規則を整備し、エベレストで起きていることが新たな目的地で単に再現されないようにできるかどうかに左右される。


