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2025.12.31 16:00

世界最高の「テキーラ」──2025年のコンペを制した11本

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テキーラの競争は、かつてないほど激化している。現在、世界市場には数千もの銘柄がひしめき合い、毎年数百の新製品が発売されている。その多くは良質だが、真に卓越したものはごくわずかである。一時的な話題性と永続的な品質を見分けるには、マーケティングの謳い文句や単発のメダル受賞だけでは不十分だ。

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本稿では、2025年に複数の独立した国際コンペティションで主要な賞を獲得し、頭角を現した少数のテキーラを紹介する。審査を行ったのは、IWSC(国際ワイン&スピリッツ・コンペティション)、SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)、CMB(コンクール・モンディアル・ド・ブリュッセル)、NYISC(ニューヨーク国際スピリッツ・コンペティション)などであり、いずれも厳格なブラインド・テイスティング(銘柄を伏せた試飲審査)と高い出品基準で知られる大会である。

ブランコ、レポサド、アネホ、エクストラ・アネホの各カテゴリーにわたり、これらのテキーラは1度きりの受賞ではなく、年間を通じて一貫してメダルを獲得した。総じて、職人技、バランス、真正性という普遍的な基準で審査された、最高水準のテキーラの姿を映し出している。

 ブランコ・テキーラ(BLANCO TEQUILA)

1. Tequila Poderosa(テキーラ・ポデローサ)“Yo Soy”(ヨ・ソイ)Blanco、アルコール度数40%(ABV)、750ml。NOM: 1258

このテキーラは、NYWSCで「World’s Best Tequila」(世界最高のテキーラ)に選ばれた。Bartender Spirits Awards(バーテンダー・スピリッツ・アワード)を含む複数のコンペティションでもメダルを獲得した。

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生産はDestilería El Magnífico(デスティレリア・エル・マグニフィコ)で、主に低地産のアガベ(リュウゼツランの一種にあたる多肉植物)を使用している。

香りは、新鮮なグリーンアガベの青々しいアロマに、ライムの皮や柑橘オイルの柑橘系ノートが重なる。味わいは明るく、柑橘とグリーンアガベのハーブ香が際立ち、軽い胡椒のようなエッジがある。余韻は長く、甘みがあり、胡椒のような刺激が残る。

2. Tequila Volcán de Mi Tierra(テキーラ・ボルカン・デ・ミ・ティエラ)Blanco、アルコール度数40%(ABV)、750ml。NOM: 1523

Volcanは、2025 Top Shelf Awards(トップ・シェルフ・アワード)で「Best Blanco Tequila」と「Best Overall Tequila」を受賞した。SFWSCではダブルゴールド・メダルを獲得し、ほかのコンペティションでもメダルを得た。

Volcanは高地産と低地産のアガベをブレンドして使用する。複数の酵母や製造手法を用いて異なるテキーラのプロファイルを作り分け、それらをブレンドして層のある複雑さを実現する。

香りは、調理したアガベの存在感が強く、柑橘の皮、ほのかな果実味、穏やかだが持続する胡椒のような刺激がある。口当たりは甘くキレがあり、調理したアガベ、ライム、グレープフルーツ、濡れた石を思わせるミネラル感、そして持続する胡椒感が感じられる。余韻は長く、クリーンでスパイシーであり、ハーブのノート、柑橘の皮、胡椒感がわずかに残る。

3. Maestro Dobel(マエストロ・ドベル)Blanco、アルコール度数40%(ABV)、750ml。NOM: 1122

2025 CMB Spirits Selectionは、Maestro Dobelに、最高得点のテキーラとして「Revelation Tequila Trophy」を授与した。このテキーラはSFWSCでもゴールド・メダルを獲得するなど、ほかのコンペティションでも受賞している。

香りは、調理したアガベ、キャラメル、バニラのヒント、ほのかなオーチャードフルーツのノート。口当たりは滑らかで甘く、調理したアガベ、キャラメル、穏やかなスパイスの風味がある。余韻は長く柔らかく、わずかに甘みがあり、調理したアガベとキャラメルのノートが残る。

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翻訳=酒匂寛

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