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テクノロジー、eコマース担当ライター。

via Amazon.com, Inc.


9月16日に開催されたアマゾンの新製品発表会は、アップルのそれと比べると質素なものだった。アマゾンはその日、少数の記者をサンフランシスコの高級住宅に招待し、「Fire」シリーズのタブレットや「Fire TV」のデモを披露した。噂された49.99ドルの7インチタブレット「Fire」を含むこれらの新製品は、ホリデーシーズンに間に合うよう、発表会翌日の9月17日にローンチされた。

今回の新製品は、ユーザーにデジタルコンテンツを消費してもらうことを目的に、手頃な価格のデバイスを提供するというアマゾンの製品戦略を再確認させる内容だった。「アマゾンはアップルとは違い、デバイスの販売で儲けようとは考えていない」とアマゾンの製品担当者のDave Limpは話す。アマゾンは収支がトントンとなる価格でデバイスを販売することを心掛けていると同氏は述べている。

「ユーザーが新しいFireタブレットを購入したのに使わなかったとしたら、製品はユーザーのニーズに合っておらず、我々はお金を稼ぐべきではない」とLimpは言う。
「しかし、ユーザーがタブレットを使ってNetflixやPrime Instant Videoで動画を視聴したとしたら、我々は徐々にユーザーのニーズに応えることができる。我々は、ユーザーがタブレットを使ったときにお金を稼ぐべきであって、タブレットを購入したときに稼ぐべきではない」

問題は、消費者がアマゾンの新型タブレットを購入するかどうかだ。新型タブレットには、「Fire HD」シリーズの8インチモデルと10.1インチモデルが含まれる。調査会社IDCによると、2015年第2四半期のタブレット出荷台数ランキングで、アマゾンは上位5社にも入っていないという。対象期間における世界のタブレット出荷台数は4,470万台で、前年同期に比べて7%減少している。

アマゾンは、最新モデルの投入によって過去と決別するつもりだ。特に、50ドルで発売される「Fire」の7インチモデルはアマゾン史上最安値のタブレットで、79ドルのKindle電子書籍リーダーよりも安い。Fireは、フロントとリアカメラを備え、バッテリーは最高7時間動作。ストレージは8Gバイトで、microSDにより128Gバイトに拡張可能だ。そして何より、ユーザーは有料会員制プログラム「アマゾンプライム」や、無料でAndroidアプリを提供するアプリストア「Amazon Underground」を通じ、電子書籍や映画、ゲームなど豊富なコンテンツを楽しむことができる。「Amazon Underground」では、アプリ開発者はユーザーが使用した時間に応じてアマゾンから支払がされる仕組みになっている。

「50ドルのタブレットは、薄利多売ビジネスだ」とMadrona Venture GroupのScott Jacobsonは言う。Jacobsonは元アマゾン社員で、初代Kindleの開発に携わった経歴を持つ。「これは、電子書籍リーダーの戦略と一貫している。端末の価格を可能な限り安くし、なるべく多くの人の手に渡らせるというやり方だ」

デジタルコンテンツへのこだわりは、新しいFire OS 「Bellini」の搭載をはじめ、新型タブレットに備えられた新機能に見て取れる。例えば、ユーザーインターフェースは、ホーム画面が雑誌のページのようにレイアウトされる。これについてLimpは、「ユーザーにとって馴染みのあるエンターテイメント体験にしたかった」と述べている。

他にも、プライム会員向けに、映画やドラマを自動的にダウンロードしてくれる「On Deck」機能や、本を速読したいユーザー向けに文章を単語ごとに表示させる「World Runner」機能などが搭載されている。

新Fire HDタブレットのカラーは、10.1インチ、8インチともにブラック、ピンクパープル、ブルー、オレンジの4色。価格は標準モデルがそれぞれ229.99ドルと149.99ドルで、両機種ともに厚さが7.7ミリとこれまでで最も薄型だ。アマゾンは、新Fire HDと49.99ドルのFireの発売日を9月30日としている。

発表イベントでは、新型の「Fire TV」と、アップグレードされた「Fire TV Stick」も披露された。Fire TV Stickは、テレビのHDMI端子に挿すスティック型のネットコンテンツプレーヤーだ。新型のFire TVは、4K解像度ビデオをサポートする他、アップルのSiriに対抗したパーソナルアシスタント「Alexa」を搭載し、音声操作機能が更に強化されている。

「本当に機能するボイスサーチ」とアマゾンがブランディングをするAlexaによって、ユーザーはFire TVやFire TV Stickにスポーツの試合結果や特定の映画に出演している俳優について聞くことができる。アマゾンは、Fire TVを使った検索の90%はボイスサーチから始まるとしている。

新Fire TVの価格は99.99ドルで、販売日は10月5日。Fire TV Stickは、音声操作に対応したリモコンが付属するものが49.99ドルで、発売日は10月22日となっている。リモコンが付属しない標準モデルであれば、39.99ドルで購入することができる。

これまで、アマゾンのエレクトロニクス製品に対する消費者の反応は様々だった。ホリデーシーズンを控え、消費者が今回の新製品に対してどのような反応を示すかは不明だ。タブレットのシェアにおいて、アマゾンはトップ二社のアップルとサムスンに大きく引き離されている。一方、Fire TVについてアマゾンは、Amazon.comのメディアプレーヤーカテゴリで、7月の販売ランキングの1位だったとしている。今回の発表は、両方のデバイスに対するアマゾンの強い決意を表していると言える。今月初めに公式に販売中止が決まった失敗作、Fire Phoneとは対照的だ。

「我々は、Fire Phoneについて話すつもりはない。今回は、他の新製品に集中して話す予定だ」と新製品発表会の前に行われたインタビューでLimpは話していた。

文=ライアン・マック(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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