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2025.12.27 12:00

史上最高値を更新する「銀」 急騰の中、初めて79ドルに迫る

銀(Shutterstock.com)

銀(Shutterstock.com)

貴金属の史上最高値更新が続く中、銀価格は米国時間12月26日に初めて1オンス78ドルを突破した。米国における利下げや関税の不透明感といった要因が金、銀、プラチナを史上最高値に押し上げている。

ニューヨーク商品取引所によると、12月26日の銀価格は約78.65ドルと過去最高値を更新した。

銀の価格上昇率は金を上回っているが、より高価な金の価格も1.2%超上昇し、12月26日に4562.70ドルの高値をつけている。

銀価格は過去1年で146%以上急騰し、1979年以来の最大の年間上昇率を記録する見通しだ。

またプラチナも米国時間12月26日に約9%急騰し2503ドルに到達し、銅は5%超上昇し5.82ドルとなった。

銀価格急騰の背景

アナリストによれば、銀価格の急騰は連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ、AIデータセンター向け銀の需要、供給の制約、関税の不透明感などが複合的に作用した結果だ。

UBSのアナリスト、ジョバンニ・スタウノヴォは26日朝、ロイターに対し「米金利低下の見通しが金・銀の需要を支え、両金属を史上最高値に押し上げている」と述べた。ウォール・ストリート・ジャーナルは26日朝、価格急騰を受けアマチュア投資家(Redditで集う層を含む)が銀に殺到していると報じている。同紙の取材に応じた投資家らは、貴金属の価値上昇継続を期待し堅実な投資と考えていると語った。

銀は安全な投資なのか?

銀がブームであるにもかかわらず、一部のアナリストは金の方が依然として安全な投資だと指摘している。

ゴールドマン・サックスのエコノミストは10月のリポートで、銀は金よりも「価格変動が激しく下落リスクが高い」と予測した。アナリストらは、金はより希少な資源でありオンス当たりの価値がはるかに高いため、輸送や保管が容易で銀行にとって実用的な投資だと説明した。

一部のアナリストは、銀は周期的に上昇と下落を繰り返す傾向があると指摘している。市場調査会社スペクトラ・マーケッツのブレント・ドネリーはウォール・ストリート・ジャーナルに「銀は急騰した後、急落する傾向がある商品だ」と語った。

一部のアナリストは、少なくとも新年にかけて銀のブームは続くと予測している。バーチ・ゴールド・グループの金融市場ストラテジスト、ピーター・レーガンはCBSニュースに対し「銀に関して言えば、保証はないものの、経済不安の高まりと継続的なインフレが、新年には価格上昇と需要増の両方が見られる可能性を示唆している」と述べ、インフレ圧力などの要因を指摘した。

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