上司への報告、同僚への連絡、先輩への相談――。いずれも「伝える」という行為ですが、この報連相(ほうれんそう)を使い分けてスムーズにコミュニケーションを進められる人と、かえって相手を混乱させてしまう人がいます。
東京大学大学院で認知科学を研究し、駿台予備学校で3000人を動員する超人気講師となった犬塚壮志さんは、「報連相」は目的に応じて言い方を変える必要があると指摘します。犬塚さんの著書『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』(サンマーク出版)から、一部抜粋・再構成してお届けします。
身近なコミュニケーションの「正解」
✖️とにかく報告すればいいよね
(仕事のコミュニケーションはすべて同じ)
○報告・連絡・相談で違う言い方が必要
(目的に応じて変える)
「報連相は、社会人の基本として、誰もが一度は教わるコミュニケーションの原則です。しかし、その本当の意味を理解し、正しく使い分けられている人は、そこまで多くないのが現実ではないでしょうか。
説明がうまくない人は、この3つをごちゃ混ぜにし、それぞれの役割をないがしろにしてしまいます。その結果、聞き手は「これは、ただの報告? それとも、何か相談したいの? 結局、私に何をしてほしいんだ?」と、頭の中で混乱してしまいます。
★「報告」で、頭においていること
説明がうまい人は、報告において、まず自分の解釈を入れず、起きた出来事(事実)だけを淡々と伝えます。
【うまくない報告】
「部長、A社への訪問ですが、なんだか感触が悪かったです。たぶん、うちの価格が高いと思われているみたいで、このままだと厳しいかもしれません」
この報告は、主観的な「意見」や「解釈」ばかりで、客観的な「事実」が不明確です。これでは、上司は具体的な状況を把握できず、的確な指示を出すことができません。



