いかがでしょうか。後者の店長の説明には、誰もが納得できる「重み」があります。それは、その話が「客観的な表現」で裏打ちされているからです。
説明がうまい人は、自分の「想い」や「熱意」といった主観的な言葉の価値を誰よりも知っています。そして、その価値を最大限に高めるためには、まず聞き手との間に「信頼」という土台を築かなければならないことも知っています。その信頼の土台を作るのが、誰の目から見ても揺るがない、客観的な言葉なのです。
「客観性」があると、言葉の解像度も上がる
ここで、自分の説明の「客観性」を高めるために、私が企業向け研修などで必ずお伝えしている、誰でも今日から実践できる2つのシンプルなコツをご紹介します。
1つは、先にお話しした「形容詞」や「副詞」を含んだ言葉を、「数字」や「固有名詞」で表現する方法です。
もう1つのコツは、あなたが使う言葉の「解像度」を上げることを意識することです。
例えば、「企業」という言葉。これは非常に解像度の低い、ぼんやりとした言葉です。この言葉の解像度を1段階上げると「大企業」、さらに上げると「大手メーカー」、もっと上げると「大手自動車会社」、そして最高解像度にすると「トヨタ自動車株式会社」「本田技研工業株式会社」などという個別の企業名なります。
説明がうまい人は、相手や状況に応じて、この言葉の解像度を自在にコントロールしています。
また、レストランで、そこまでワインに詳しくない人に対しては「この肉料理には赤ワインが合います」だけでいいかもしれません。
一方、食通の人が相手であれば「この肉料理のソースに一番合うのは、イタリア産の○○種のぶどうのワインなんですよ」と言ってあげると喜ぶかもしれません。
そのジャンルに詳しい人・関心がある人であれば、解像度が高くても聞きたいと思ってくれる可能性が高いでしょう。


