爆発的な増光
研究チームが提唱している仮説によると、ブラックホールが長期にわたって伴星の物質を引き寄せたことで、距離が離れすぎていて飲み込めない物質の雲（ハロー）がブラックホール自体を取り巻いた。伴星がついに近づきすぎて引き裂かれると、元からあったハローに伴星の新たな残骸が叩きつけられ、X線、紫外線、青色光の爆発的な増光を引き起こした。引き裂かれた恒星は、巨大なウォルフ・ライエ星だった可能性がある。ウォルフ・ライエ星は非常に高温で進化が進んだ大質量星で、水素燃焼層が失われた段階にあることで知られる。
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AT 2024wppが放出した高エネルギーX線、紫外線、青色光などの電磁波は、NASAのチャンドラX線観測衛星、南米チリにあるアルマ（ALMA）電波望遠鏡、ハワイのケック天文台、ニール・ゲーレルス・スウィフト衛星などで観測された。LFBOTは大量の紫外線を放射するため、今後打ち上げが予定されているULTRASATやUVEXなどの紫外線宇宙望遠鏡でさらに多くのLFBOTが検出されると期待されている。
The Astrophysical Journalに掲載されるもう一方の論文の筆頭執筆者で、UC Berkeley博士研究員のナヤナA.Jは「現時点では、LFBOTの発見は年間約1個にとどまっている」と指摘する。「だが、紫外線望遠鏡を宇宙空間に設置すればすぐに、今日のガンマ線バーストの検出と同様に、LFBOTの発見が日常的に行われるようになるに違いない」
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