――ユーザーからのフィードバックを大切にされているのですね。スティーブンさん、寄せられる膨大なフィードバックをどのように選別しているのですか。
スティーブン:すべてのフィードバックが必要なものです。誰の意見も除外することはありません。長年にわたって最も多く寄せられたリクエストの一つが、境界を気にせずスケッチや書き込み、共同作業ができるホワイトボード機能「無限キャンバス(Infinite Canvas)」でした。この機能を革新的なAI機能と共にリリースできたことを誇りに思っています。
具体的には、ダイアグラムによるアイデアの可視化や、チームのブレインストーミング用テンプレートの自動生成などが挙げられます。ホワイトボードの内容を分析し、AIを使って効果的にインサイトを抽出するといった、多くの可能性が広がっています。これは極めて強力なツールになります。ホワイトボードのアイデア自体、ユーザーから生まれたものです。Goodnotesでは常に、ユーザーのアイデアや声をかたちにしようと努めています。
――日本のGoodnotesコミュニティは特に熱心だというお話がありました。ミンさんは日本市場について語るのに最適な立場にいますが、日本市場に特有の点や、日本のユーザーならではのフィードバックはありますか?
ミン:日本の皆さんは、あらゆる物事に対して払う「細やかな配慮」で、世界中に多くのファンをもっていますよね。私たちは今週、一週間ほど滞在して京都を訪れました。料理の準備、都市計画、風景、庭園、茶道、そして衣服に至るまで、そのこだわりには驚かされるばかりです。
日本のユーザーはとても几帳面で、細部にまで深くこだわります。また、この国には「書くこと」を大切にする豊かな歴史があることも学びました。日本は私たちにとってトップクラスの重要市場です。ですから、ユーザーがより生産的に、そして几帳面に作業できるよう、必要なツールをすべて提供することに注力しています。
――「神は細部に宿る」と言いますからね。ちなみに、Goodnotesの中で、皆さんのお気に入りの機能は何ですか? スティーブンさんからお願いします。
スティーブン:今の私のお気に入りはホワイトボードです。アイデアをスケッチするのに頻繁に使っています。それからスペルチェック(Spellcheck)も好きですね 。私はよく綴りを間違えてしまうのですが、この機能は手書き文字の間違いを認識して、正しい綴りに書き直してくれるんです。この機能を開発したのは私たちが世界で初めてでした。チームを誇りに思いますし、私自身、毎日使っています。英語がネイティブの人にはそれほど必要ないかもしれませんが、私にとっては本当に便利なんです。


