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2025.12.26 17:45

個人開発のアプリが「世界のノート」へ。Goodnotes経営チームが考えるAI戦略と日本の「書く文化」

2025年10月10日、都内で行われたデジタルノートアプリ「Goodnotes」の公開インタビューで語る、同社・創業者兼CEOのスティーブン・チャン(左から2人目) Kohichi Ogasahara for Goodnotes

――スティーブンさんもパートナーを探していたのですね ?

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スティーブン:当時の私は経験不足で、自分たちに何が足りないのかさえ分かっていませんでした。そんな時、メンターから「エグゼクティブチームが必要だ」と助言を受けたのが、ミンと出会ったきっかけです。

――ミンさんのどういった点に共感したのでしょうか。

スティーブン:情熱です。私たちは二人とも、自分の仕事を通じて最高の成果を出したいという強い情熱をもっています。それと、私は製品開発やテクノロジーに没頭しがちですが、ミンは組織作りや外部とのコミュニケーションに長けています。じつに見事な補完関係なんです。

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――シュウ・ティンさん、今の時代、どの企業にもAIのエキスパートが必要です。熱心なユーザーだったあなたがGoodnotesに参加した経緯を教えてください。

シュウ・ティン:私は「AI(人工知能)」という言葉が一般的になる前から、機械学習(ML)の分野で働いてきました。検索やレコメンド(推奨)エンジンを専門に、データを理解し、パーソナライズされた体験を顧客に提供することに注力してきました。
AIの本質は、ユーザー一人ひとりに合わせた体験を作ることだと考えています。特にノートの取り方は人によって千差万別です。例えば、スティーブンのノートは私の思考プロセスとはまったく違いますから。AIによって、それぞれのユーザーの固有のワークフローを尊重し、サポートできるようになったのは大きなチャンスです。

バイトダンスで勤務経験があり、現在はGoodnotesのAI製品リードを務めるシュウ・ティン・フォン氏(中央)。「AIの本質は、ユーザー一人ひとりに合わせた体験を作ること」だと語った  Kohichi Ogasahara for Goodnotes
バイトダンスで勤務経験があり、現在はGoodnotesのAI製品リードを務めるシュウ・ティン・フォン氏(中央)。「AIの本質は、ユーザー一人ひとりに合わせた体験を作ること」だと語った Kohichi Ogasahara for Goodnotes

――スティーブンさん、Goodnotesは現在、英ロンドンに拠点があり、2025年には素敵な新社屋も開かれました。アジアでは香港にオフィスがありますが、東京にも設ける計画はありますか?

スティーブン:その可能性は高いです。まだ正式な発表はできませんが、日本にもチームがありますから。

――現在の従業員数はどれくらいで、そのうちエンジニアやAI研究者が占める割合とは?

ミン:グローバルで約370名です。年末までには400名を超えるでしょう。急速に成長しており、優秀な人材をいかに早く確保するかが今の大きな課題です。プロダクトとエンジニアリング部門がチーム全体の70%を占めています。つまり、300人近いメンバーが製品開発に直接携わっていることになります。

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文 = 井関庸介

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