――起業家として生きる決意をした際、ご家族や友人の反応はいかがでしたか?
スティーブン:当時、両親は何をやっているのかまったく理解できなかったようです。GoodNotes(製品名当時)をリリースしたのは大学卒業間近の頃でした。それまでは、父がオーストラリアでの生活費を毎月送ってくれていました。
ところが途中から、私がお金を送り返すようになったんです。父は訳が分からず、「何か悪いことに手を染めているんじゃないか」と心配したそうです(笑)。でも何年も経った後、「お前を誇りに思っている」と父が言ってくれました。それを聞いた時は本当にうれしかったですね。
――独り立ちすることに怖さはありませんでしたか?
スティーブン:怖さと興奮の両方ですね。それは今でも変わりません。世界は激しく変化していますから。ただ、今は何百万人ものユーザーから素晴らしいアイデアやフィードバックをいただけます。テクノロジーを活用してどうより良い未来を創るか、毎日ワクワクしています。
――2015年のApple Pencil登場以降、Goodnotesは完全にそれまでとは異なるフェーズに入りました。一人で好きな機能を開発していた頃と、会社として顧客の期待に応え、多くの従業員をマネジメントする現在。どのような違いを感じていますか?
スティーブン:以前はいつでも好きな時に働けましたが、今は規則正しい勤務時間や会議、チームでのブレインストーミングが必要です。アイデアは山ほどあります。2015年からユーザーの要望を投稿できるサイトを運営していますが、それらのフィードバックと、私たちが考える未来への投資、この優先順位をどうバランスを取るかが重要です。最大の学びは、チームといかに効果的にコミュニケーションを取り、共通のミッションを作り上げるかということですね。
――チームの話が出たところで、ミンさんにも話に加わってもらいましょう。ミンさんは米イェール大学で心理学を学び、香港の教育関連企業に在籍していましたが、どのような経緯でGoodnotesに加わったのでしょうか?
ミン:今もGoodnotesで働いている共通の友人が紹介してくれて、コーヒーを飲みながら話をしたんです。最初は30分くらいのつもりが、気づけば3時間も話し込んでいました。最初からお互いのスキルが補完し合える、最高の相性だと感じました。当時は別のプロジェクトを立ち上げたばかりで、転職などまったく考えていませんでしたが、スティーブンとの会話があまりに刺激的で、自分でも驚くほどの速さで転職を決めてしまいました。


