経営・戦略

2026.01.28 15:15

沖縄「JUNGLIA」開業3カ月の真実──想定外と想定内のギャップに対峙する

開業から3ヶ月を経過したジャングリアに直撃

開業から3ヶ月を経過したジャングリアに直撃

「覚悟はしていましたが、『そうきたか』と思いましたね」

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取材の冒頭、こう語ったのはジャパンエンターテイメント(以下JE)の代表取締役CEOである加藤健史だ。

「Power Vacance!!=興奮や贅沢を体験する旅」をコンセプトに、「沖縄旅行を最高にするテーマパーク」として、2025年7月25日に開業した「JUNGLIA OKINAWA」(以降、ジャングリア沖縄)。沖縄でしか体感できないテーマパークとして、開業前から大きな注目を浴びていた。

華々しいオープンの裏で、「アトラクションに乗れない」「食事場所が少ない」「炎天下が厳しい」「事前プロモーションとのギャップがあった」などのネガティブなコメントがある一方で、「料理が美味しくコスパもいい」「スタッフのもてなそうという思いが嬉しかった」など、SNSには賛否が上がった。開業から半年が経過した今、ジャングリア沖縄の現状について、加藤を直撃した。

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想定外の混乱とUSJ開業の教訓

構想から実に8年。総事業費約700億円をかけて沖縄県北部、今帰仁村と名護市にまたがるエリアのゴルフ場跡地を開発した、テーマパークとスパ施設を持つ複合施設・ジャングリア沖縄。敷地面積は約60ヘクタールと、東京ディズニーランドやUSJよりも広く、圧倒的な存在感を誇る。

開業当初のクチコミやマスコミの反応について、加藤が切り出したのが冒頭の一言だったが、その表情に悲壮感はなかった。加藤は2000年、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)へ開業前年に入社。実はこの時、同様の経験をしている。テーマパークは、通常、開業直前に組織が垂直に立ち上がるという業界の特性上、現場のオペレーションの習熟は直前期から一気に進めなければいけない。そのため今回のジャングリア沖縄の運営体制も、ある程度は想定内だった。

開業セレモニーの際の様子。再びこの活況を目指す。
開業セレモニーの際の様子。再びこの活況を目指す。

「ネガティブなコメントがあることはもちろん承知しています。プレオープンやソフトオープンなどで、実際に人の動きのシミュレーションは綿密に行っていました。しかし、検証のために行動してもらうのと、リアルなゲストとの動きには当然違いがあります。しかも5000人前後もの来場者が一気に押し寄せた時の動きは、開けてみないとわからない部分が必ずあるのです。開業2、3日前には全社集会を開き、『人の動きはわからない。想定外のトラブルは何かしら必ず起こると思って、それでも自信を失わずに前に進もう!』と伝えていました」。

その上で、経営陣がもっとも注力したのが「改善スピード」だ。開業初日から、オペレーションの全てを見直す体制を構築。1日の営業終了と同時に、ゲストからの声や行動の動き、稼働状況などを収集した全データを分析し、改善点をその場で決定。翌朝にはメンバーに発信して実行する。開業から1カ月以内の夏休み後半には、大きな課題については一定の改善を済ませ手順を安定化、さらに改善を続けた9〜10月には処理能力を向上させ体験の提供数も改善、第三者調査でパーク全体の満足度は4.0以上。アトラクションに限れば評価は4.5以上となり、満足度も大幅に向上。現在もこのPDCAサイクルを継続している。

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文=真下智子 写真=苅部太郎(人物) 編集=坂元こうじ

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