いつの間にやら高級食パンのブームが去り、材料費や人件費の高騰でパン屋さんの倒産が相次いでいるが、コッペパンのサンドウィッチを提供するチェーン店にはいつも行列ができている。なぜ高級食パンが飽きられてコッペパンが愛され続けるのか。そこには決定的なビジネスモデルの違いがあった。
東京商工リサーチの調べでは、2023年、パン製造小売業者の倒産件数が極端に増加した。一方、帝国データバンクの調査は、2025年は米価格の高騰によりパン需要が伸びたのに加え、小規模なパン屋さんもさまざまな工夫をこらしたおかげで4年ぶりに倒産件数が減ったと伝えている。Q&Aコミュニティー「オーケーウェブ」を運営するオーケーウェブは、そうしたデータを分析し、コッペパン屋さんの人気の秘密を探った。

コッペパン専門のフランチャイズが安定して収益をあげている理由として、オーケーウェブは、「選べる楽しさ」と「職人不要のシステム」の2つをあげている。
「そのままで美味しい」を売りにしていた高級食パンは、裏を返せば「味の逃げ場がない」のに対して、コッペパンは、いろいろに使える「プラットフォーム」なのだとオーケーウェブは言う。コッペパンは挟む具を変えれば、惣菜系でランチ、スイーツ系でティータイムをカバーできる。また揚げパンで「ノスタルジー需要」をも満たす。とにかく選択肢が多い。

さらに、コッペパンのフランチャイズは本部から供給される冷凍コッペパンを必要に応じて使うため、腕のいいパン職人を雇って早朝から働かせる必要がない。職人に依存しない経営のため、誰にでも運営ができて後継者不足問題がない。
また、冷凍パンのシステムなら、売れ残りが多くなりがちなパン屋さんの悩みの種でもある食品ロスも少なくできる。そのほか、商品単価、購買頻度などを見ても、高級食パン専門店の脆弱性とコッペパン専門店の合理性がよくわかる。

庶民の味であるコッペパンは、庶民らしく地道に手堅い商売を継続しているということだ。コッペパンは一過性のブームとは違う、「今の時代に選ばれる、長く続くビジネス(文化)」なのだとオーケーウェブは指摘している。



