管理職であることは、かつてなく難しくなっている。
米国の従業員のエンゲージメントは過去10年で最も低い。従業員のほぼ半数が必要性低減の仕事しかしない「静かな退職」状態にある。多くの人は昇進を焦り、待つより転職を選ぶ。そして、もしあなたが人事部門の管理職なら、あなたはその渦中にいる。チームのエンゲージメントを左右する要因の70%は管理職が原因だ。
エグゼクティブコーチで著作家、職場文化コンサルタントでもあるセレナ・レズヴァニは、新著『Quick Leadership(クイック・リーダーシップ)』の中で、現代の管理職とは「コーチであり、危機管理担当者であり、応援団であり、時には人間版のホワイトボードでもある」と述べている。
こうした要求に加え、絶え間ない組織変革やテック面での急速な変化、止まらないニュースサイクルが重なれば、管理職が心に余裕がなくなるのも当然だ。しかも管理職の仕事は複雑になるばかりだ。
書籍『Quick Leadership』は、まさにこうした状況のために書かれた。レズヴァニはチームを前進させる真の要素、つまり信頼と人間的なつながりに焦点を当てている。実体験と実用的なツールに基づき、リーダーシップとは次々と会議に出席して全てを完璧に遂行することではないと、レズヴァニは主張する。リーダーシップとは、自分がコントロールできるものを活用し、不確実な中でも頼られる存在であることだ。
チームの負担軽減から成長の積極的支援まで、回復力のある有能なリーダーになるための5つの重要なアドバイスを、『Quick Leadership』から紹介する。
1. クッションの役割を担う
仕事が忙しくても、混乱する必要はない。
メールで済む会議やあたかも緊急であるように設定された締め切り、絶え間ない反復の合間で、管理職の最も重要な役割の1つはクッションとなることだと、レズヴァニは話す。優れたリーダーはチームが集中し、成長できるよう、不必要なストレスや偽りの危機、無意味な干渉から守る。チームが持っていることに気づいていなかった、「邪魔しないで」のボタンだと考えるといい。
この役割は重要だ。労働者の1日の41%は、組織が創造する価値に貢献しない業務に費やされている。チームが本当に重要なことに集中できるよう、支える方法は次の通りだ。
偽の緊急性を取り除く
「できるだけ早く」のメッセージでチームに残業させる前に、理由を問うといい。「実際の締切はいつか?」「この緊急性の根拠は?」と問いかけてみる。本当に今すぐ対応が必要なら、チームにその旨を伝える。そうでなければ、現実的なスケジュールを交渉する。
生産的でない会議を排除する
アジェンダなしの会議、あるいは30分前に案内された会議は、メンバーに転送する前に一旦停止する。「私のチームにどんな役割を期待しているのか」「どんな決定が必要なのか」と問うといい。単なる進捗報告なら、チームの集中時間を守るためにメモを共有してもらおう。
援護する
想定していなかった仕事が舞い込んだら、チームが境界線を引くのを助けよう。優先度が高くないなら、「今は◯◯(現在の優先事項)に全力を注いでいます。来週改めて検討できませんか」と言うように促そう。優先度の高い仕事なら「当初の計画には含まれておらず、今追加すると予算/スケジュール/成果に影響します。(優先タスク)完了後にどう調整できるか話し合いましょう」と言おう。
力強く支援する
チームが成果を出したら、適切な人物に確実に伝えたい。可視化は支援の一部だ。
緩衝材となるこの手法ではあなたの負担は増すが、チームにとっては画期的だ。単なるタスク管理ではなく、重要でない事柄からチームを守る盾となる。そうすることで、チームは真に重要なことに集中できる。



