ペットを「家族の一員」と考えている人は多い。年末年始などの休暇中の旅行に、ペットを連れて行く人が多いことも不思議ではない。実際のところ、ペットの生活の質の向上を目指す米Kinshipの調査によると、米国のペットオーナーの54%は、この年末年始にペットと一緒の旅行を計画しているという。
米国獣医師会(AVMA)の会長である獣医師のマイケル・Q・ベイリーによると、できる限り安全に、そして楽しくペットと旅をするためのカギを握るのは、事前の計画。そこで、ペットとの旅行でオーナーが犯しがちな7つの「よくある失敗」と対策の方法を紹介する。
1. ドライブボックスなどを使用しない
車で旅行に連れて行くときにはペットをケガから守り、快適に過ごせるようにするため、シートベルトにつなげたハーネスをつけたり、固定したペットキャリーに入れたりしておくこと。ベイリーは、「トラックの荷台に乗せて連れていくのは、絶対にやめて欲しい」と注意を促している。
2. 直前に獣医の診察を受ける
海外旅行に連れて行くとき、ペットを旅客機に乗せるには大抵、認定獣医師が発効する衛生証明書が必要だ。また、行き先が国内外どちらの場合でも、旅客機に搭乗するにはワクチンが効いた状態でなければならないが、接種してから十分な免疫ができるまでには、数週間がかかる(ホテルやペットホテル、トリミング・サロンなどの施設では接種記録の提示を求められる。必ず持参しよう)。
不安感のあるペットを旅行に連れていくときには、処方薬やサプリメント、(落ち着かせるための)フェロモンスプレーなどを持っていくほか、ポータブルスピーカーなどを用意し、「ペットを落ち着かせる音楽」を流してあげるといいという。
そのほかベイリーは、旅行中にそれまで使用したことがない薬をペットにとらせる場合は、移動中に副作用が起きることを防ぐため、出発の数日前から使用し始めることをすすめている。
3. ペット対応についての確認が不足
宿泊可能とするペットに、体重制限を設けているホテルもある。また、一度に宿泊できる頭数を制限しているホテルもある。
親戚の家などに連れて行く場合は、ペットを歓迎してくれるかどうか、必ず事前に確認しておくこと。ベイリーはこの点に関して、大丈夫だろうとの「思い込み」は厳禁だと述べている。
4. 滞在先での安全確保を怠る
宿泊先に到着したら、ペットにとって安全な場所かどうか確認することが欠かせない。ベイリーは、「ペットがキャビネットやゴミ箱の中に入り込んでしまわないか、危険な階段から落ちてしまわないか、確認してください」と話している。
そのほか非営利団体のアメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)によると、(クリスマスに飾られることが多い)ポインセチアやヤドリギなど、ペットにとって有毒な植物にも、注意が必要だ。誤って食べてしまえば、嘔吐するなど、体調に問題が起きる危険性がある。
また、チョコレートなどの食品の中にも、ペットには有毒なものがある。見つけて食べてしまうことがない場所に保管しておこう。



