何十年もの間、私たちは男女の違いを有名な心理学本にならい、「男は火星から、女は金星からやってきた」と表現してきた。だが真実は、男と女はただ「異なる言語」を話しているに過ぎない。一方はIQ(知能指数)に関連する言語を、もう一方はEQ(感情知能指数)に関連する言語を話しているのだ。
IQはビジネスにおける伝統的な「男性的」側面、すなわち論理・競争・秩序とのつながりが深く、EQは「女性的」側面である共感・つながり・直感とのつながりが深い。長きにわたり職場では、EQよりIQが、人よりも生産性が重視しされてきた。しかしこれからの時代、リーダーに求められているのはどちらか一方を選ぶことではなく、両方の「言語」を流暢に話すことだ。
家族の夕食の場を思い浮かべてほしい。良い会話とは誰か1人が会話を支配したり、限られた話題しか許されなかったりするものではない。誰もが気兼ねなく会話に加わり、市場の動向やスポーツのスコア以外のことも自由に話す。好きな話をシェアし、互いに耳を傾け、笑い合う団らんの場では、物静かな叔父も歯に衣着せぬ妹も、皆ががそれぞれのスタイルで会話を楽しめる。
職場もまた、同じようにあるべきだ。
女性が男性ばかりの部屋で居心地の悪さを感じるという話はよく耳にする。でも実は逆で、男性こそ女性のなかにいると居心地が悪いのかもしれない。男性は、オープンで社交的、あるいは感情を軸にした会話に気後れすることがある。それゆえ男同士で集まりたがる。男性が安心して話せるのは、秩序立ち、ルールが明確ないつものテーマ──スポーツのスコアやゴルフの予定、ビジネスなどについてだ。



