実際に何をするのか
こうしたプラットフォームは、グーグルやアンソロピックから、小規模なスタートアップまで、幅広い顧客を抱えている。これらのプロジェクトは通常、秘密保持契約(NDA)を伴う。
プロジェクトではさまざまなタスクを求められるが、慣れてしまえば比較的簡単である一方、細部への注意、品質、正確性が厳しく求められる。
AIが生成した回答をそのまま提出したり、最低限の労力しかかけない作業を行ったりすると、品質チェックを通過できず、報酬が支払われないだけでなく、最悪の場合はプラットフォームから追放されるリスクもある。
代表的なタスクの例は以下のとおりだ。
・AIが生成した画像の評価
・AIによる出力結果の優先順位付け
・推論の妥当性のチェック
・倫理および安全性のレビュー
・アノテーション
明確にしておくと、これらの役割において機械学習やコーディングの専門知識は必要ない。
ただし、生物学やコンピューターサイエンスといったSTEM分野の専門知識や、法務分野での職業経験など、特定の分野に精通している場合は、より高い報酬を得られる可能性が高まる。
どのようなプラットフォームがあるか
データの入力やアノテーションの仕事を提供するプラットフォームは数多く存在するため、応募する際には、それが正当な企業かどうかを慎重に確認する必要がある。
特に人気の高いプラットフォームとしては、以下が挙げられる。
・Mercor
・Outlier AI(Scale AI傘下)
・Appen
・DataAnnotation
未経験からAI訓練で収入を得た私の体験
文字どおり2週間前、私はこれらの企業のうちの1社を実際に試し、本当に信頼できるものなのか、クリスマス前に収入を上乗せすることは本当に可能なのかを検証してみることにした。
私はOutlier AIに登録し、アカウントを作成して登録手続きを進めた。その過程で、Personaを通じて身分証明書を提出する必要があった。この点については、他のフリーランサーの中には不安を感じ、LinkedInのコメント欄で不快感を示していた人もいた。
また、私の英語力、読解力、会話能力を評価する目的で、興味関心についての質問にも回答した。その内容は技術的でも専門的でもなかった。
その後、制限時間付きの評価テストとして、文章の抜粋に対する短いエッセーや分析を書く課題が出された。所要時間は約20分で、この段階でAIを使用することは厳しく禁止されていた。
合否は後日通知されると言われたが、登録が終わった後、数秒以内に合格と表示され、オンボーディングの準備が整った。オンボーディング完了後、約3時間でタスクに取り組める状態となった。これは実際にプロジェクトが割り当てられるまでに要した時間である。
結果的に、私は400ドル(約6万2500円)を超える収入を得ており、時間に余裕があったある時には、24時間以内に約100ドル(約1万5600円)を稼いだこともある。過去2週間にわたりこのプラットフォームで作業し、他の利用者にも取材した中で、以下の点が明らかになった。
・AIや英語のジェネラリストとしての報酬は、STEM分野の有資格者とは異なる水準となる
・私が参加したプロジェクトでは、時給17ドル(約2700円)が支払われた
・目標は作業を急ぐことではなく、かといって1件に過度な時間をかけることでもない
・クライアントは可能な限り高い品質と正確性を求めている
・各タスクに費やした時間はプロジェクト管理ツールによって追跡されている


