副業の世界で、ある興味深いトレンドが広がりつつある。それは、プログラミングや技術的な知識が一切なくてもAIモデルを訓練する仕事である。
これらの仕事にはコンピューターサイエンスの学位は不要であり、高校時代に代数や統計が苦手だったとしても問題ない。技術的なバックグラウンドがなくてもAIモデルの訓練で報酬を得ることができ、複数のプラットフォームを通じて、時給15ドルから150ドルを超える収入を得ることが可能だ。年末年始の時期に収入を上乗せする手段にもなり得る。
私がそう言い切れるのは、最長で1年にわたりこの仕事を続けてきた人たちに話を聞き、さらに私自身も実際に試してみたからだ。
どのような仕事なのか
AIで収入を得る方法を理解するために、まずAIとは何かを整理しておく必要がある。
AIとは、長年にわたる人間の経験やメディアから集積された、膨大なデータセットを基盤として動作するシステムや技術である。
AIモデルは自ら学習するわけではない。こうした巨大なデータセットがなければ、実用的で機能する生成AIは存在し得ない。
同時に、現在はAIブームの真っただ中にあり、新しいモデルを開発したり、特定のユーザーや用途向けに既存のモデルを改変したりするAIスタートアップに、ベンチャーキャピタルから莫大な資金が投入されている。
このAIブームを支えるためには、大量のデータセットを用いてAIを訓練する非技術系の労働力が大量に必要となる。ChatGPT、Claude、Geminiなどの背後には、人間の存在があるのだ。
このため、「データアノテーター」や「AIジェネラリスト」といった職種が、在宅でできる副業として急速に人気を集めている。AIの訓練に特化したプラットフォームでは、画像、動画、音声、音声データ、テキストなど、さまざまなメディアを用いて、顧客に代わってAIモデルを訓練する人間に報酬を支払っている。
ただし重要なのは、これらの契約はフリーランス契約であり、どれだけ長時間働いても従業員として扱われるわけではないという点だ。健康保険などの福利厚生は提供されず、収入の申告や納税はすべて自分でこなさなければならない。



