大型のリクガメである「ゾウガメ」は、かつて陸生の脊椎動物の限界と考えられた寿命を塗り替えている。
証明されている確実な記録によると、アルダブラゾウガメ(学名:Aldabrachelys gigantea)とガラパゴスゾウガメ(学名:Chelonoides niger)は、120~150年以上生きることが珍しくない。セントヘレナ島に生きる「ジョナサン」のように、2世紀に迫る年月を生きる個体も一部存在する。
しかし、その驚異的な長命以上に興味深いのは、それを可能にしている進化的適応だ。現代科学はその解明に取り組んでいる。ゾウガメは、長期生存という進化実験を体現する存在であり、ゾウガメのような動物を調査することは、極端な長命の謎を理解するための、最も明確な方法の一つとなるだろう。
193歳のゾウガメ「ジョナサン」
ジョナサンは、セーシェルセマルゾウガメ(学名:Aldabrachelys gigantea hololissa、アルダブラゾウガメの亜種)で、存命する陸生動物では「世界最高齢の個体」として知られる。セーシェル(当時は英領モーリシャスの一部)で生まれたが、1882年に英領セントヘレナへ移動して以来、同地で暮らしている
資料から、1832年頃に孵化したと推測されている。セントヘレナ総督が12月4日を公式誕生日に認定したため、現在193歳とされる。
すなわちジョナサンは、電球や電話が発明され、さらには最初の人物写真が撮影された1838年頃以前から、この世に存在していたことになる。現在、彼は総督公邸の敷地内で、驚くほど手厚い保護を受けて暮らしている。獣医師によると、200歳近い年齢の動物としては非常に安定した状態を維持しているという。
ジョナサンが科学的に貴重な存在である理由は、その長寿が、歴史を通じて詳細に記録されている点にある。1880年代に撮影された初期の写真には、「完全な成体」となった姿で写っている。これは撮影時点で、少なくとも50歳になっていたことを意味する。
驚くほどの高齢にもかかわらず、ジョナサンは、視力や聴力に、加齢による一定の低下が見られるのみだ。それを除けば今も食欲旺盛で、仲間と交流し、飼育係の存在に反応する。200歳近い動物に予想される生理的機能の著しい衰えは、まったく見られない。
特筆すべきは、ジョナサンがゾウガメの中で例外的な存在ではない点だ。実際、彼は多くのゾウガメがどのように老いていくかを示す完璧な見本といえる。150~180年という年月を生きてなお、彼らはゆっくりと一定のペースで老い、衰えは最小限にとどまる。これは、進化と生理学、ゲノムにおける特性が組み合わさることで、細胞が損傷から守られ、老化がゆっくり進行しているためだ。



