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2025.12.25 15:00

見逃されがちなアルファベットの「1000億ドル投資」、自動運転Waymoの価値

Shutterstock.com

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想像してみてほしい。アルファベット(NASDAQ:GOOG)がかつてリスクの高い「その他の投資」として財務詳細の中に隠していた自動運転技術が、突如として1000億ドル規模の巨大企業となり、グーグルの投資家に多大なリターンをもたらしているとしたら──。

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それこそが、まさに今、Waymoで起きていることだ。同社は現在、驚異的な12桁の企業価値評価を誇り、さらに150億ドルの資金調達を準備している。確かな統計データ、印象的な安全記録、そしてアルファベットのAI資源に支えられ、Waymoの企業価値は1000億ドルから1100億ドルの間と評価されている。

では、その優位性はどれほど圧倒的なのか? どれほど急速に1兆ドル規模の市場機会へと拡大できるのか? そして、アルファベットの次なる成長エンジンにとってどのような意味を持つのか?

比類なき事業規模

テスラのロボタクシー車両が主に人間の監視者に依存し、アマゾンのZooxが限定的な無料試乗を実施している一方で、Waymoは米国の複数の主要都市で完全無人運転サービスを提供する唯一の大規模事業者としての地位を確立している。その成長は目覚ましい。

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・2024年後半、Waymoは週に約15万回の有料乗車を提供した。2025年4月までに、その数は25万回に増加。2025年12月時点で、Waymoは週45万回以上の有料乗車へと急増しており、わずか8カ月でほぼ倍増したと投資会社タイガー・グローバルは報告している。

・2025年7月、Waymoは公道での完全自動運転走行距離が累計1億マイルという歴史的なマイルストーンを達成した。この膨大なデータセットは、現在、業界で比類のない安全性と信頼性の「参入障壁」を提供している。

・この乗車数の急増により、同社は正式に年間売上高換算で3億5000万ドルを突破し、ロボタクシーモデルがもはや科学的な実験ではなく、実行可能なビジネスであることを実証している。

1兆ドル規模の市場機会

ウーバーのような企業が支配する既存の配車サービス市場は、年間約125億回の乗車を管理しており、年間売上高は3750億ドルを超える。しかし、投資家はさらに大きな市場を検討している可能性がある。

・現在、配車サービスを利用している人1人に対し、約10人が自分でクルマを運転している。Waymoが信頼性を実証するにつれ、自動運転による乗車市場は容易に3倍になり、1兆ドルを超える市場を創出する可能性がある。

・予備データによると、消費者は一度Waymoを体験すると、忠実な顧客になる傾向がある。同社は、ウーバーやリフトよりも高い乗客維持率を報告している。さらに、Waymoの安全記録──人間のドライバーと比較して重傷事故が10分の1に減少──は、安全志向の通勤者にとって強力なインセンティブとなっている。

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