アップルはMacユーザーに対し、グーグルのChromeの使用をやめ、代わりに自社ブラウザーのSafariを使うよう警告している。「Chromeとは異なり、Safariは真にプライバシー保護に役立ちます」と同社はいう。Chrome利用者への警告はこれだけではない。マイクロソフトもWindowsユーザーにまったく同じことを言っている。
こうした警告には、明らかにマーケティングの狙いがある。アップルはユーザーにSafariを使い続けてもらいたいし、マイクロソフトはEdgeの控えめな市場シェアを伸ばしたい。だが、Digitainによる新たな報告書がこの話に刺激を加えたようだ。ユーザーのプライバシーという点で、主流ブラウザーの中ではChromeが最悪だと警告している。これより悪いのは、ChatGPT Atlas(2025年12月23日現在、macOS版のみ存在)だけだった。
Windows Reportは、「Chromeは、追跡とデータ保護の観点で、人気ブラウザー中のワーストリストでトップに立った」と伝える。ChatGPT Atlasほど悪くはなかったものの、「ブラウザー識別を防ぐ点では中程度の成績だった一方、トラッカーをブロックする点では“0点”だった」という。
これはDigitainによる新しい報告書に基づくとしている。Neowinは、「グーグルのChromeは2番目に悪いブラウザーだった。しかし、(重要な)3つの領域でChatGPT Atlasよりわずかに良いだけで、100点満点中76点というスコアだった。Vivaldiも75点でほぼ同じで、次がEdgeの63点で、これもリスクがかなり高い」としている。
ここではスコアが高いほど、リスクは高い。
アップルとマイクロソフトの結果はまちまちだった。プライバシーのスコアは、Edgeが100点中63点で、Chromeの76点と比べれば良い。一方で、Safariは驚くほど健闘した。49/100というスコアは、プライバシー第一のDuckDuckGoの44/100や、Torの40/100から、わずかに後れを取るだけだった。
こうした結果はすべて、アップルのSafari推奨キャンペーンと、ユーザーにグーグルのブラウザーへの乗り換えを思いとどまらせようとする警告を裏付けるものとなっている。アップルは独自のスコアカードも示しており、追跡に関する各指標でChromeをすべて不合格とし、Safariには満点を付けている。
これは興味深いタイミングに重なっている。アップルは数億人規模のiPhoneユーザーに対し、iOS 18からiOS 26へのアップグレードを強制したばかりだ。新バージョンのOSには、アップルの警告の背景要因の1つであるフィンガープリンティングに対する既定の保護強化が含まれていた。
筆者は、この新報告書についてのコメントを求めてグーグルに連絡している。



