中村:しかも、OECのレーザー光には、安価で大量に手に入るファイバーレーザーが使えます。従来式だと核融合炉を1基つくるのに膨大な量の励起用半導体レーザーが必要ですから、サプライチェーンの観点でもOECは商用化に向いているのです。
太田:また、OECは大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」などの重力波検出器に使われている技術を応用したもの。物理的な下地も整っています。
中山:実際、米国ではカリフォルニア工科大学やコロラド州立大学、日本では大阪大学などと提携して技術実証を進めていて、着実にマイルストーンを達成してきています。何より、おふたりがいつも本当に楽しそうに取り組んでいて、こちらもワクワクします。
中村:26年には、技術実証にめどがつけられるはずです。OECが完成すれば、あとはこれまでLLNLや磁場閉じ込め方式の核融合で培ってきた技術を組み合わせるだけでいい。それは、お金と体力さえあればできること。30年ごろの商用化が目標です。
太田:本当に実現できるのかと思う人もいるかもしれません。しかし、実際に青色LEDは、中村先生が発明した瞬間に世界が変わりました。技術とはそういうものなのです。
中山:よく「ロマンとそろばん」というじゃないですか。核融合と聞くと遠い未来のことのようですが、BLFは最初に解き切った問いをどれだけ早くエンジニアリングで実装できるかという産業化への挑戦をしています。こんなに大きなロマンとそろばんはほかにはありません。30年が待ち遠しいです。
なかやま・じゅんじ◎2016年、早稲田大学法学部卒業後、ジャフコ グループ入社。21年にStart Today入社。前澤ファンドマネージングディレクター。主な担当先はBlue Laser Fusion、DFree、GITAI、iPeace、ONIGO、WOTA等。(写真左)
なかむら・しゅうじ◎1979年、徳島大学大学院修了後、日亜化学工業入社。93年、高輝度青色LEDの開発に成功。2000年、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授就任。14年、ノーベル物理学賞受賞。22年Blue Laser Fusion共同創業。(同中央)
おおた・ひろあき◎京都大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻/助教を経て、カリフォルニア大学サンタバーバラ校にて研究に従事。2016年ACSL参画。22年早稲田大学ベンチャーズ共同代表、Blue Laser Fusion共同創業。(同右)


