早期リタイアを経てHarnessを2017年に創業、エンジニアの負担軽減に取り組む
バンサルは買収後まもなくAppDynamicsを離れ、短期間の「早期リタイア」を試みた後、再び起業の世界に戻った。「会社を本気で作るなら、膨大な時間を注ぎ込む必要があると強く思っている。少なくとも10年は必要だ」と彼は語る。バンサルは、約半年間の旅を経てHarnessを創業した。同社の狙いは、コードのテストやリリースに伴う「誰もやりたがらない不要な作業」にエンジニアが費やす時間を、できる限り減らすことだった。
「銀行や決済、航空業界を含め、いまや世界のあらゆる仕組みはコードによって動いている。そして、そのコードには“安全ハーネス”が必要だ」とバンサルは語る。「コードの安全性や信頼性を私たちが担保することで、開発者は本来取り組むべき、より創造的な仕事に集中できるようになる」。
Harnessは創業当初から、AIを使ってソフトウエア開発の工程を自動化してきた。バンサルによれば、初期には「コードを変更した際に、その影響が他の部分に及ばないか」を自動で判定する仕組みをAIで構築していたという。その後、ここ数年でエージェント型AIが急速に進化し、Harnessの中核機能として組み込まれるようになった。「以前なら数週間かかっていたような複雑な作業も、いまではAIアシスタントに任せることで、その大部分を自動化できるようになっている」とバンサルは説明する。
従業員数は1200人超、前回は実現できなかった株式公開を目指す
サンフランシスコに拠点を置くHarnessは、これまでに市場展開の拡大と技術革新を目的に、累計5億7000万ドル(約895億円)を調達してきた。ハイブリッド型の勤務体制をとる同社の従業員数は1200人を超え、売上は前年比50%のペースで成長している。バンサルには、いずれ実現したい次の目標がある。「私たちはIPOを目指している。前回は、そこまでたどり着けなかったからだ」と彼は語った。


