教育

2026.01.04 15:00

学生がチャンスを得るために、成績と粘り強さのほかに必要なものは?

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米国の「壮大な社会実験」はシンプルだが型破りな約束に常に支えられてきた。それは、チャンスをつかめるかどうかを決めるのは特権ではなく努力と才能、というものだ。今日、その約束は疑わしいものとなっている。高騰する学費や大きな借金、均等でない結果によって、多くの人が高等教育はまだ見返りが得られるものなのかという疑問を抱いている。子どもを大学に進学させるために犠牲を払ってきた家庭にとって、その不満は現実のものだ。人生を変えると言われた学位を取得しても、それがチャンスにつながらないケースがあまりに多い。

問題は大学が価値を失ったことではない。歴史的に壮大な社会実験から取り残されてきたコミュニティ出身の学生にとっては特に、学位は依然として社会的流動性を予測する最も強力な指標の1つだ。問題は、資格だけでは不十分ということだ。門戸を開くメンターやプロフェッショナル、支援者といったネットワークがなければ、教育は空約束に感じられる。そしてチャンスが形骸化すると制度そのものへの信頼が揺らぎ始める。

成績と粘り強さの他に必要なもの

努力と優秀な成績は依然として重要だが、それだけでチャンスが保証されることは稀だ。プロフェッショナルのロールモデルを目にすることなく育った学生はキャリアパス全体を見通せない。医療に従事する、法律実務に従事する、エンジニアリングでリードする、テクノロジーを進歩させる、そんな自分を想像できる者はほとんどいない。経済的余裕のある家庭はこの現実を知っている。教育だけでは決して十分ではないことを理解し、資格をキャリアに変えるメンターやインターンシップ、人脈に子どもがアクセスできるようにするためにネットワークを築いてきた。アクセスを拡大することはまさに機会の民主化であり、資本主義と自由に根ざした制度として壮大な社会実験が存続するためには不可欠だ。

進学準備をしつつネットワークを得る取り組み

Cristo Rey Network(クリスト・レイ・ネットワーク)はこの現実を日々目の当たりにしている。クリスト・レイ傘下の学校は経済的に恵まれない家庭の生徒に、そうした支援がなければ受けられない大学進学準備の教育を提供している。しかし学業は物語の一部に過ぎない。実務経験が組み込まれたプログラムを通じて、全生徒が週1日企業で働く。こうした職場体験は履歴書に書ける以上の価値がある。指導してくれる上司や刺激が得られる同僚、卒業後も支援を続けるプロフェッショナルとの関係を築ける。と同時に、生徒が得る賃金は直接学費の支払いに充てられ、勤労の価値と自分のための教育なのだという考えが強化される。

その結果、クリスト・レイの卒業生は大学合格だけでなく、在学中、そして卒業後も成功するための自信や経験、人脈を手にする。壮大な社会実験の約束を現実のものとするネットワークが卒業証書にくっついている。

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翻訳=溝口慈子

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