年末が近づくと、1年を振り返るさまざまなランキングが発表される。日々のニュースとは別に、多くの人たちの本音がにじみ出るのがフリマアプリの検索データだ。何を欲し、何を探し、どんな理由で手に入れるのか。その積み重ねは、その年の空気を静かに映し出す。
こうした視点から、フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリは、2025年の検索・取引データをもとに「メルカリトレンドワード2025」を発表した。検索ワード、取引数が伸びたアイテム、出品時に使われた言葉を分析して消費行動を可視化したこの調査をもとに、2025年のリアルな傾向を読み解いていこう。
検索ワード1位は「ラブブ」
2025年の検索ワードランキングで、もっとも多く検索されたのは「ラブブ」だ。香港出身のアーティストが手がけ中国企業が世界展開するこのキャラクター、SNSをきっかけに拡散され、日本国内でも一気に注目を集めた。しかも「ポケモン」「ちいかわ」「鬼滅の刃」「ONE PIECE」といった定番キャラクターを抑えてトップとなった点は象徴的だ。知名度が高いキャラクター作品が定着する一方で、新しい存在(ラブブ)でも短期間で注目を集める余地があることに気づかされる。

ランキング全体を見ても、上位にはキャラクターや漫画、アニメ関連のワードが多く並んだ。検索の段階から、趣味性の高い消費が強く意識されていることがよくわかる。
「訳あり」に表れた、出費を選び直す感覚
固有名詞以外で上位に入ったワードが「訳あり」だ。特にメルカリShopsを通じた農作物や食品の取り引きでは、この言葉が多く検索されている。

背景にあるのは「物価高」だ。見た目や規格に理由があっても、品質に問題がなければ購買の選択肢に入れるなど、少しでも家計を楽にしたいという思いがにじみ出ている。
しかも単に「安いから買う」ではなく、「安い理由を理解した上で選ぶ」という行動のシフトが起こっている。



