使い切りから循環へ
また、2025年に取り引き数が大きく伸びたアイテムの上位には、トレーディングカード関連が並んだ。「名探偵コナンカードゲーム」「ホロライブ カードダス」など、“推し”を軸とした消費が活発だ。
一方で、「コサージュ」「ヘッドドレス」といった結婚式関連アイテムも上位に入ったことにも注目したい。結婚式そのものを簡素化し、必要なものだけを中古で揃える動きが広がっているようだ。

ここから見えるのは、購入と同時に“その後”を意識した選び方だ。一度使って終わりではなく、再び手放すことを前提に選ばれている。モノの価値を、所有ではなく循環で捉える感覚が広がっているのだろう。
出品ワードが映す、推し活と選別の時代
出品時に使われたワードを分析したトレンドワードマップでは、韓国アイドルや関連カルチャーの言葉が多くを占めた。上位ワードの半数以上が韓国発コンテンツに関連しており、K-POPやキャラクター文化が継続的な市場を形成していることがわかる。同時に、ポケモンカードなど定番のキャラクター関連アイテムも引き続き存在感を示した。新旧の人気コンテンツが入り混じる構図だ。

メルカリの検索・取引データから見えてくるのは、消費が縮んでいるという単純な話ではなさそうだ。身の丈に合った選び方を重ねながら、価値の置きどころを見直す動きが強まっているのではないか。
2025年の検索ワードは、生活する中で人々が何を大切にし、どこで納得して手放すか、あるいは買うかを「きちんと判断」してきたことを静かに物語っているようだ。


