経営・戦略

2025.12.23 10:39

2026年の不確実性に対応:最良の選択は積極的なPR戦略

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ヘザー・ケリー氏は、米国全土にオフィスを構える受賞歴のある総合PR会社Next PRのCEOである。

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チームの大半が年末の休暇に向けて仕事を減らしていく一方で、ビジネスリーダーたちはその逆を行っている。2026年の幕開けに向けて準備を進めているのだ。

これは刺激的でありながらも緊張を強いられる時期となる。新年は常に新たな機会の数々をもたらすが、それらは往々にして山積みの課題を伴うものだ。来年も例外ではない。長引く経済的不確実性、関税の潜在的影響、政治的地盤の変化、そして常に存在するAIの脅威が、引き続き戦略、支出、リスク許容度に影響を与えるだろう。

だからこそ、積極的な広報戦略は2026年がどのような年になろうとリスクヘッジする最良の方法の一つなのだ。調査によると、コミュニケーションリーダーの26%が来年のPRやコミュニケーション予算が最大25%増加すると予想し、さらに4分の1はそれ以上の成長を見込んでいるという。彼らはPRが経営陣の余力を生み出し、ビジネスを前進させるために必要な戦略的レバーであることを理解しているのだ。

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このアプローチを念頭に置いて、2026年に最も重要となる5つの予測を紹介する。

1. プロジェクトベースのPRプログラム

予算が限られている組織や、エージェンシーとの経験がほとんどまたは全くない組織にとって、プロジェクトベースの契約は始めるのに最適な方法だ。これにより、合併発表、製品発表、最新の調査レポートなどを通じて、エージェンシーとの協働がどのように感じるかを体験することができる。

月額契約に縛られることなく勢いを築き始め、PRファームが自社に合うかどうかを試す賢明な方法だ。

2. 評判管理と危機コミュニケーション

ビジネス環境の不確実性を考えると、危機管理計画を持つことは必須である。一見ランダムな出来事(不適切な広告配置や扱いにくい人事問題など)が大きな問題に発展する可能性は常にある。そうなった時、飛行中に飛行機を組み立てるようなやり方では、(評判と予算の両方に)はるかに高いコストとリスクを伴うことになる。

その代わりに、計画を事前に用意しておけば、多大な損害、ストレス、リスクを回避できる。覚えておいてほしいのは、あらゆる可能性のあるシナリオに対する処方箋は必要ない。必要なのはしっかりとした危機管理計画の枠組みだけだ。重要なのは手順を持つことであり、詳細はその場で組み立てることができる。

危機を防ぐ方が事後対応よりも容易であるため、継続的な評判管理もこれまで以上に重要になるだろう。2026年のビジネス環境は地雷原を進むような感覚かもしれないが、ソーシャルメディアの反応、ドメインオーソリティ、シェア・オブ・ボイス、Glassdoorでの評判を追跡することで、問題を素早く発見し、適切に対応して災害を回避することができる。

3. LLMの活用

ChatGPT、Copilot、Perplexityなどの大規模言語モデル(LLM)は、多くの人にとって現代のデフォルト検索エンジンになりつつある。つまり、AIが人々の意思決定に影響を与える強力なチャネルとなる中で、企業にとって大きな参照トラフィックの源にもなっているのだ。

2026年には、企業はプラットフォームのトラフィックを監視し、可視性と影響力を高める戦略を採用する必要がある。AI最適化を含む包括的なPRプログラムは、これらの急成長するプラットフォームの影響力を最大化するのに役立つだろう。

4. プラットフォームの優先順位付け

予算が限られている場合、ROIがこれまで以上に重要になる。オーディエンスにリーチするための適切なプラットフォームを選ぶ際、万能の選択肢は存在しない。

状況は常に変化しており、動く標的のようなものだ。TikTokの新しいオーナーシップがその利用や文化的影響にどう影響するかは誰にも分からない。Xは評判を回復できるのか?LinkedInはB2B接続ツールとして最も重要な地位を維持するのか?

感情分析の実施、トレンドの監視、資金と影響力をどこでどのように活用するかの優先順位付けが不可欠だ。

5. 長期的な計画

ビジネスは信じられないほど速いペースで動いているが、ほとんどの企業の計画はそれに追いついていない。次の四半期決算報告に焦点を当てることが習慣化している。

しかし、永続的な消火活動のカルーセルから抜け出す希望があるなら、長期的な計画が不可欠だ。6ヶ月先、1年先、さらには2年先を見据える必要があり、それには慎重な内省、市場への深い洞察、そして計算されたリスクを取る相当な勇気が必要となる。これは私がメンターであり当社の創業者であるスティーブ・サイモン氏から学んだ戦略であり、当社が30年近く存続している理由でもある。

過去5年間で学んだことがあるとすれば、次に何が起こるかを予測することはハリケーンの中で天気を予測するようなものだということだ。風向きが変わるのは時間の問題でしかない。

実際、だからこそ今こそ包括的なPR戦略に注力すべき時なのだ。積極的な企業コミュニケーション、メディアリレーション、評判管理に投資する企業は、不意を突かれることを避けられる。

AIの不確実性、ソーシャルメディアの危機、インフルエンサーとの関係崩壊、サイバーセキュリティ侵害など、避けられない想定外の事態が発生した時、すでに動いているチームが必要であり、後手に回って追いつこうとするチームではいけないのだ。

forbes.com 原文

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