経済

2025.12.23 13:30

「ラブブ」ブームに陰り、株価下落で創業者の資産が4割減

Lindsey Nicholson/UCG/Universal Images Group via Getty Images

同社は玩具の供給を増やしており、ディズニーのようなエンターテイメントブランドになりたいと考えている。ただ飢餓感を煽るマーケティング(品薄商法)で、消費者をひき付け続けたくないのかもしれないと、タナーは述べている。リアーナやキム・カーダシアン、BLACKPINKのリサなどといったセレブがコレクションしているラブブは、かつて世界中の店舗で長蛇の列を生み出し、人々は限られた数の人形を手に入れるために争っていた。「ポップマートは規模を拡大するため、意図的にアクセスしやすくしている印象を受ける」とタナーは述べている。

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ドイツ銀行の香港を拠点とする株式アナリスト、サミー・シューは、ポップマートが生産を増強していることに同意する。12月に発表されたドイツ銀行のリサーチノートによると、同社は現在、月間5000万体の人形を製造しており、年初の1000万体から増産している。しかしシューは、人々の「ファッション疲れ」についても指摘している。より入手しやすくなったラブブに対する購入意欲が薄れたためだ。「これは、新規オープンや一部の都市を除き、ほとんどの海外店舗で客足が減少し、行列がなくなっていることからも明らかだ」とシューは書いている。

ドイツ銀行は、株式について「ホールド」を推奨し、目標株価を228香港ドルとした。

エバーブライト証券インターナショナルの香港を拠点とする証券ストラテジスト、ケニー・ンは、WeChatのメッセージを通じて、同社の株価が回復するための鍵は、ラブブが人気を今後も維持できるか、または別の新たな卓越した知的財産(IP)を創出できるかどうかだと述べている。

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シンガポールを拠点とするDZTリサーチの調査責任者ケ・ヤンは、同社は「IPギャップ期間」に入っていると述べている。同社の他の製品ライン、例えばスカルパンダやトゥインクル・トゥインクルシリーズは、それほどの人気を示していないためだ。ヤンは、ポップマートの株価が来年100香港ドルまで下落する可能性があると考えている。

モーニングスターのチャンは、かねてから噂されているソニーとの映画コラボレーションは、ラブブの世界的な影響力を拡大するための自然な動きであると考えており、ポップマートは「ディズニーやサンリオなどの老舗企業の戦略を参考にして、エンターテインメントやメディア関連製品を含む他分野へと多角化する可能性が高い」と付け加えている。

forbes.com 原文

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