2026年初頭の金利見通し(第1四半期・第2四半期)
主要金融機関は、経済に吹く逆風に対抗するため、2026年上半期にはより積極的な金融緩和が行われると見ている。モルガン・スタンレーは2026年1月にも利下げが行われると予測している一方、ゴールドマン・サックスは1月は据え置きとし、3月に利下げが実施されると見込んでいる。ゴールドマン・サックスを含む複数の金融機関は、6月にも追加の利下げが行われ、年中盤までに金利が3.0%から3.25%の範囲に近づくと予測している。
2026年のインフレ見通し
消費者物価指数および個人消費支出指数はいずれも約3%となっており、インフレ率は依然としてFRBの2%目標を1ポイントほど上回っている。また、ニューヨーク・タイムズの報道によれば、2025年11月の政府閉鎖の影響により、2025年9月分の最新データには報告の遅れが生じている。
インフレは2026年にかけて緩やかに鈍化すると予想されている。トレーディング・エコノミクスのモデルやアナリスト調査では、関税や住宅コストの影響により、2026年のインフレ率は2.6%前後で推移し、FRBの目標を上回った状態が続くと見込まれている。
S&P500とナスダックの見通し
2026年の見通しを公表するほぼすべての金融機関がS&P500の具体的な目標値を示している一方、ナスダックについては目標を提示する例は少ない。彼らはその代わり、「テクノロジーセクターはオーバーウエート」といったセクターごとの評価や、「マグニフィセント・セブン」の業績予測などを通して、テクノロジー比重の高いナスダックに対する見方を示している。
ナスダックとテクノロジーセクターの見通し
これらの金融機関は、ナスダックの具体的な目標値は示していないものの、テクノロジーおよびAI分野について次のような見解を示している。
・マグニフィセント・セブンの業績
JPモルガンは、ナスダックの主要なけん引役であるマグニフィセント・セブンが、2026年に1株あたり利益(EPS)ベースで約20%の成長を達成すると予測している。これは、同年におけるS&P500の予想EPS成長率である13%から15%を大きく上回る水準である。
・AI投資ブーム
キャピタル・エコノミクスなどは、ハイパースケーラーがAI関連の設備投資に5000億ドル(約78兆5000億円)を超える資金を投じると予想しており、これが半導体およびソフトウエア企業の株価を押し上げる可能性があると指摘している。
・セクター評価
シティとモルガン・スタンレーは、「大型成長株」および「テクノロジー」を選好する姿勢を維持しており、他の指数と比較したナスダックの上昇に対する楽観的な見方を示している。


