海外

2025.12.25 13:00

デュアルOSでスマホを守る、スイス政府とデジタル主権を目指す「ソヴァーリ」とは

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欧州において、デジタル主権(自国のデジタル資産を安全かつ独立して運用する仕組み)への関心が高まる中、ソヴァーリは既にスイス政府とパイロットプロジェクトを進めている。「海外製技術を無条件に信頼すべきではないという認識が広がっている一方で、現状では依存度が高すぎる」とプドゥは、指摘する。

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同社の技術は、技術系スタートアップを多数輩出しているスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)で4年かけて開発された。しかし、ソヴァーリの技術が市場を独占しているわけではなく、携帯電話大手をはじめ、中小企業もこの領域に参入している。

例えば、アップルとグーグルはいずれも高度な保護モードを提供しており、機能を制限することで脆弱性を最小化し、端末をロックダウンすることが可能だ。ソヴァーリのより直接的な競合として挙げられるのが、フィンランドの急成長スタートアップ「ビッティウム(Bittium)」である。同社はこれまでに約2000万ドル(約31億円)を調達しており、1台の端末で複数のOSを利用可能にする、類似の技術を提供している。

これに対しソヴァーリは、使いやすさと煩雑さの少なさを武器に差別化を図る。同社は、セキュリティ確保のために利便性や機能性を犠牲にする必要はないと強調し、代替OSへの切り替えも端末の再起動を伴わず、ホーム画面から行えるようにしている。「使い勝手が悪ければ、ユーザーは回避策を探すだけだ」とプドゥは語る。

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ソヴァーリに出資する投資家たちは、現在進行中のパイロットプロジェクトを足がかりに、同社が急速な事業拡大を遂げる可能性を見込んでいる。現時点では、同社の技術を搭載したスマートフォンの利用者数に応じて、企業からライセンス料を徴収するモデルを想定しているが、将来的には携帯電話メーカーに技術をライセンス供与し、ソリューションを端末にプリインストールする展開も視野に入れている。

今回のプレシードラウンドは、スイスの投資会社「ファウンダーフル(Founderful)」が主導し、ETHチューリッヒ財団やベンチャーキックに加え、サイバーセキュリティ業界を代表する有力人物が名を連ねた。ファウンダーフルで投資を担当するアントニア・アルバートは、ソヴァーリについてこう評価する。「人々には真に信頼できるスマートフォンが必要であり、メーカーにはそれを提供する責任がある。ソヴァーリのデジタル主権を実装したスイス製セキュリティ基盤は、モバイルセキュリティを書き換え得るブレークスルーだ」。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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