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科学と医薬を担当。21世紀は生物学の世紀であると信じている

dolgachov / Bigstock

米国立精神衛生研究所の所長を13年間務めたトーマス・R. インセルがグーグルの新会社Alphabetの、グーグル・ライフサイエンスグループに参加することとなった。インセルが9月15日に発表した声明は次の通りだ。

「グーグル・ライフサイエンス(GLS)チームは、血糖モニターを組み込んだコンタクトレンズのように、ヘルスケアのあり方を変える新技術を開発しています。GLSのミッションは、病気の早期発見、よりよい予防、重篤な患者の健康状態の管理などの支援テクノロジーの創出にあります。

私は、この技術を精神保健分野に応用する方法を追求しようとこのチームに参加しました。グーグルのライフサイエンスチームが、精神保健分野へ大きな探査を行うこと、精神病や気分障害、自閉症などの病気による負担を認識することは、世界で数100万人以上に影響を与える大きな変革をもたらす技術と同様に、それそのものが重要な声明です。グーグルの哲学は、困難な課題にこれまでの10倍の変化をもたらすこと。私は、精神保健の分野に10倍チャレンジを期待しています」

このニュースは、Alphabetがヘルスケアビジネスの困難さについて、これまでの認識を改めようとしていることを示している。今年7月、セルゲイ・ブリンはベンチャー投資家ビノッド・コースラに対し「ヘルスケアの領域は規制が厳しすぎ、ビジネスを継続するのは難しい。私がどれほどそこに時間を費やしたいかは問題ではない。私たちがすでに健康プロジェクトを抱えていて、ある程度は続けてきているにしてもだ」と述べていた。

しかし、グーグルのヘルスケア領域に対する取り組みは予想よりも素早い。グーグルのパートナー、ノバルティスのジョゼフ・ヒメネスCEOは、同社が開発中の糖尿病患者向けの血糖モニター機能を持つコンタクトレンズは、予想より早く、来年にも臨床試験に入ると述べている。

アンチエイジングに取り組むグーグルのバイオテクノロジー関連子会社Calicoは、製薬大手のAbbVieと製品の開発費の一部を共同で負担することとなっている。

グーグル広報は、「トムは、グーグルのライフサイエンスチームが精神病の理解、診断、治療を含めた巨大なチャレンジにどうインパクトを与えるか、追求することになっています。彼のチームへの参加を心待ちにしています」とコメントしている。

インセルの活動は、グーグルのアプローチとうまく噛み合いそうだ。彼は精神医学領域で、症状が似た患者たちに、個別の生体問題が潜んでいる可能性を指摘し、人によって症状の現れ方が異なるという考え方を持っている。そして、患者を分類する方法を再考する必要があると述べてきた。これはAlphabetの考え方とよく似ている。

国立精神衛生研究所では後任が決まるまでは、ブルース・カスバートが代理を務めることとなっている。

文=マシュー・ハーパー(Forbes)/ 編集=上田裕資

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