重債務・高インフレ・不確実性の時代の「黄金律」
繰り返しになるが、金こそ本物・実物のお金であり、不換紙幣は仮りそめのお金だ。国家の債務が記録的な水準に膨らみ、インフレが高進し、地政学的な不確実性が高まる時代には、「黄金律」に従うのが賢明にして合理的な行動だと筆者は考えている。あらためて説明しておくと、資産の10%を金(半分は金地金、半分は質の高い金鉱株)に配分し、毎年リバランスするというルールだ。
シンプルな戦略だが、こうした金投資はローマ帝国からブレトンウッズ体制まで、歴史上のあらゆる通貨制度を通じて資産を守るのに役立ってきた実績がある。
ドナルド・トランプ米大統領は、アフォーダビリティー危機はでっち上げだと主張している。実際には、多くの世帯にとって住宅が手の届かないものになっているのは現実だ。ただし、その原因は住宅建設業者にもなければ大家にもなく、また銀行にもない。原因は、金の裏づけのない法定通貨ドルの購買力が着実に失われてきたことにある。金はこの真実を映し出す鏡にすぎない。


