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2025.12.28 10:00

ChatGPTは今後数年で、私たちの仕事と日常生活をどう変えるのか

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ChatGPTは最近、3歳の誕生日を迎えた――そして初めての「存在的危機」も迎えた。OpenAIのCEOであるサム・アルトマンが社内メモで「コードレッド」(非常事態)を宣言し、ChatGPTの品質改善の必要性を強調したと報じられている。システムの「弱点」だと受け取られている点をめぐる話題が増えていることを考えれば、驚くことではない。

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「みんなChatGPTから離れてる」と、あるXユーザーは書いた。「ChatGPTは『安全』であろうとしすぎて役に立たなくなったので、みんな離れているんです。特定の話題には触れようとしないし、何でもオブラートに包むし、何を言ってもだいたい同意するだけみたい」。

そして、アプリの週間アクティブユーザー数は依然として8億人超に達している一方で、速度と信頼性に疑問を抱く人も増えている。セールスフォースのCEOマーク・ベニオフは次のように書いた。「3年間、毎日ChatGPTを使ってきました。そしてGemini 3に2時間使ったところですが、もう戻りません。飛躍がすごい――推論、速度、画像、動画……全部がよりシャープで速い。世界がまた変わったように感じます」。

実際、Geminiの利用は増えており、とりわけ画像生成機能Nano Banana(ナノバナナ)の投入以降、その傾向が強い。

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自動化とAIを旨とする企業のCEOとして、生成AIがどこへ向かうのかを追うことは自分の責務だと考えている。ここでは、世界で最も広く使われるチャットボットの将来について、私の予測を示す。

ChatGPTはより高速になる

報道によれば、アルトマンのメモの要点は、同社がChatGPTの広告展開を一時停止し、従業員が信頼性と速度に改めて注力するべきだということだった。私には、OpenAIが新機能や売上のような指標よりも、コア性能を優先している明確なサインに見える。ある意味では、前進する前に立て直しているのだ。

最新バージョンのChatGPTであるGPT-5.2には、タスク速度と推論の改善が含まれており、同社が基礎部分を徹底しているという見方を補強している。そして、Geminiのような競合が先行している――マーク・ベニオフのような業界リーダーのコメントが示すように、少なくとも逸話的には――ことを踏まえると、OpenAIがレイテンシー(応答遅延)の低減と全体の応答性向上を引き続き優先する可能性は高い。

これまでのアップグレードの軌跡は必ずしも直線的ではなかったが、直近のリリースを見る限り、来年の改善の最前線は新機能ではなく性能になることを示唆している。

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翻訳=酒匂寛

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