GoogleマップもChatGPTも「世界共通」ではない
多くの人が無意識に前提としているのが、「Google系サービスは世界標準」という感覚です。しかし実際には、国や地域の政策、通信インフラの設計によって、使え方は大きく異なります。
分かりやすい例が中国本土です。
Googleマップ、Gmail、YouTube、LINE、Instagram、X、ChatGPT。これらは原則として利用できません。オフラインで保存していても、正常に動作しないケースもあります。ただし、日本の通信会社の海外ローミング回線を使っている場合、LINEやSNSが使えるなど、例外的なケースがあるのも事実です。
一方で、香港・マカオ・台湾はどうでしょうか。この3地域はよく「中国圏」とひと括りにされがちですが、実態はまったく異なります。台湾では、日本とほぼ同じ感覚でGoogleマップ、LINE、ChatGPTを利用できます。香港やマカオも、原則としては自由なインターネット環境です。
ただし、ここに「どの回線で接続しているか」という要素が加わると、話は一気に複雑になります。
「日本の回線なら大丈夫」とは限らない理由
今回の香港での体験を振り返ってみると、原因はひとつではありません。
海外ローミング回線は、通信の混雑状況やネットワークの設計によって、現地でインターネットに直接接続されることがあります。その場合、サービス側からは「日本からのアクセス」ではなく、「現地からのアクセス」として扱われることがあります。
さらに近年は、ChatGPTをはじめとするクラウドサービス側でも、セキュリティや各国の規制への対応のため、利用できる地域や回線の判定が厳しくなっています。その結果、
「昨日は使えたのに今日は使えない」
「同じ国にいるのに、人によって使える・使えないが分かれる」
といった現象が起こり得るのです。
加えて、香港の通信インフラは中国本土との接続性が年々高まっています。
「香港だから完全に自由」という感覚は、少しずつ過去のものになりつつあります。
韓国は「使えるが、頼れない」国
もうひとつ、誤解されやすいのが韓国です。
韓国ではGoogleマップは表示できますが、徒歩や車でのルート案内・ナビゲーション機能は使えません。政府の地図データ政策により、Google側が詳細なナビ機能を提供できない状態が続いているためです。
その結果、初めて韓国を訪れる人ほど混乱します。
「地図は見えるのに、案内してくれない」。
この場合の対処法はシンプルで、最初からローカルの地図アプリを使うことです。Naver MapやKakao Mapは精度も高く、実用性も十分。Googleマップに固執しないことが、韓国では重要になります。


