2.自身の尊重と明確なコミュニケーションを育む
健全な利己性は、多くの場合、境界線という形を取る。必要なときに「ノー」と言い、自分のエネルギーを守り、限界を認めることだ。境界線は人間関係を損なうどころか、その健全性を最も高める要因の1つである。
「自己決定理論」は、自律性を基本的な心理的欲求として位置づけている。American Psychologistに掲載された同理論に関する研究によれば、罪悪感なく自分の欲求を主張できるとき、人は最も心理的に健康であるという。
「今日はこれを引き受けられない」「今は対応できないが、明日なら手伝える」といった形で、自分の限界を明確に伝えると、そこには予測可能性と信頼が生まれる。パートナー、同僚、友人にとって重要なのは、無制限にあなたへアクセスできることではなく、あなたがどこまで対応できるかを知ること、そして、あなたがそれでも相手のことを気遣っているのだと理解することだ。
境界線がないと、人間関係は次第に不透明になる。過剰な引き受けは恨みを生み、口にされない期待は誤解を招く。そして、語られない限界は、静かな苦しみを生む。
一方で、健全な境界線を設けると、人はあなたをどう愛すればよいかを理解できる。パートナーは、いつあなたと距離をとる必要があるのかを知り、友人たちは、現実的にあなたにどれだけ頼ることができるのかを知り、同僚たちは、あなたが燃え尽きることなく引き受けられる範囲を把握できる。
3.長期的な生産性を高める
どれほど望んでも、人は無限に与え続けることはできない。短期間に与え過ぎれば、やがて与える量が減るか、完全に与えることをやめてしまう。
感情的なリソースの配分に関する研究は、短期的に無理をした人ほど、長期的な枯渇を経験し、援助行動から撤退しやすいことを示している。Frontiers in Psychologyに掲載された2020年の研究では、自己配慮と他者支援のバランスが保たれているときに、前向きな与える行動が持続することが示された。
少し利己的であることは、感情的・精神的リソースを再び意味ある形で使えるよう、それを補充することである。次の頼み事の前に休む、同僚を助ける前に自分の目標を優先する、家族と向き合う前に数分の静かな時間を取る、といった行動でそれは実現可能だ。これは、エネルギーを溜め込むことを意味するのではない。崩れ落ちることなく今後も与え続けるために、戦略的にリソースを管理しているに過ぎないのだ。


