暗号資産

2025.12.22 10:00

「エネルギーこそが真の通貨」資産118兆円のイーロン・マスク、暗号資産を改めて支持

Kevin Dietsch/Getty Images

Kevin Dietsch/Getty Images

純資産が7500億ドル(約118兆円)に達し、世界初の「1兆ドル長者」(トリリオネア)にも近づくイーロン・マスクは、暗号資産に関するテクノロジーそのものには強い支持を示しているものの、トランプ政権によるビットコインや暗号資産の普及推進には距離を保ってきた。それでも彼は、ビットコインに対する支持を水面下で示し続けている。

過去にドルやいわゆる法定通貨を「望みがない」と断じたこともあるマスクは再び、「エネルギーこそが真の通貨である」と述べた。これを受け、ビットコイン支持者の間では、マスクが暗号資産を静かに後押ししているのではないかという憶測が一気に広がった。

マスクによるこの発言は、匿名アカウントのbeffjezosによる以下の発言へのリプライとして投稿されたものだ。「貨幣を、将来得られる自由なエネルギーの代理と理解するなら、AIは文字どおり無限のマネー・グリッチである」(編注:マネー・グリッチは、価値[富]の増殖装置といった意味合い)。

このbeffjezosは、ステルス状態のAIスタートアップ、エクストロピック(Extropic)の創業者であり、元グーグルのエンジニアであるギヨーム・ヴェルドンであることが、2023年にフォーブスによって明らかにされている。beffjezosはさらに、2026年の強気相場への期待が高まっていることについて、「“バブル”という物語の破綻だ」と付け加えた。

あるビットコイン支持派のアカウントは、マスクの投稿へのリプライとして、「ビットコインは保存されたエネルギーだ」と投稿した。

ビットコイン投資家で評論家のロバート・ブリードラブは、2021年に自身が書いた投稿へのリンクを示し、「ビットコインはエネルギー生産を拡大させる」と予測していたことを紹介した上で、「効率性は生産性、富の創出、そして生活水準を向上させる」と付け加えた。

マスクは10月にもXに、「ビットコインはエネルギーに基づいている。偽の法定通貨を発行することはでき、歴史上あらゆる政府がそれを行ってきたが、エネルギーを偽造することは不可能だ」と投稿している。また、AIをめぐる「世界的な軍拡競争」こそが、近年、金、銀、そしてビットコインの価格が急騰している理由だという見方にも同意した。

ビットコインは、強力なコンピューターを用いて取引を検証し、その報酬として新たに発行されるビットコインを受け取る、いわゆるマイナーのネットワークによって支えられている。その年間の電力消費量は小さな国家に匹敵する規模に達しており、参加するマイナーが増えるにつれて、価格とともにエネルギー需要も拡大している。

マスクによるビットコインや暗号資産への支持は、コロナ禍のピーク時からは弱まっているものの、マスクは依然としてビットコイン、そして彼の「お気に入り」の暗号資産であるドージコイン(Dogecoin)への支持を続けている。

ホワイトハウスを離脱した後、マスクは自身が立ち上げたアメリカ党が米ドルよりもビットコインを支持すると述べ、ドルや、その他の政府が発行する債務ベースの通貨を「望みがない」と断じた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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