ヘルスケア

2025.12.22 09:00

インフルエンザ感染が拡大 年末年始の移動で身を守る方法を医師が解説

ドイツ西部デュッセルドルフ空港。2024年12月20日撮影(Ying Tang/NurPhoto via Getty Images)

ドイツ西部デュッセルドルフ空港。2024年12月20日撮影(Ying Tang/NurPhoto via Getty Images)

米自動車協会(AAA)によると、年末年始の休暇期間中に旅行する米国人は1億2200万人を超え、昨年より約300万人増加すると見込まれている。この数は、新型コロナウイルスの流行で移動が制限された2020年を除くと年々増加傾向にある。

旅行者の大半に当たる推定1億900万人は自動車を利用するが、1300万人以上は混雑した電車やバス、飛行機で移動する。この大規模な移動は例年同様、季節性インフルエンザの感染が拡大する時期と重なっている。

北半球に住む私たちは、ちょうど冬のインフルエンザ流行期を終えたばかりの南半球の状況を見ることで、対策を講じることができる。残念ながら、状況は思わしくないようだ。南半球に位置するオーストラリア、中南米、アフリカの一部地域では、インフルエンザA型(H3N2)を中心に、シーズン終盤になっても高い感染率が続いている。北半球のカナダやロシアなどでは既にインフルエンザの感染者が急増しており、米国にも流行の波が押し寄せている。

実際にインフルエンザ陽性率が上昇しているかどうかにかかわらず、インフルエンザA型H3N2の変異株「K亜系統」が新たな懸念事項となっている。K亜系統は、従来のH3N2からわずかに遺伝子が変異しているため、今年の季節性インフルエンザワクチンに含まれる成分との適合性が低くなっている。とはいえ、今年のワクチンでも、成人ではインフルエンザ関連の入院を30~40%、子どもでは75%減少させることが確認されている。

休暇中の移動でウイルス感染を防ぐには

インフルエンザ感染の増加傾向や過去最高の旅行者数に加え、ワクチンの効果が低下している状況が重なり、今年の年末年始は厳しいものになりそうだ。新年が始まる頃には熱や悪寒に悩まされる運命のように思えるかもしれないが、健康を維持するためにできることはある。

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翻訳・編集=安藤清香

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