(1) インフルエンザワクチンを接種しよう。既に1億2700万人以上の米国人が接種を受けており、今からでもまだ間に合う。
(2) 石鹼と水で頻繁に手を洗おう。機械式エアドライヤーや清潔なタオルで乾かすこと。これは非常に基本的なことのように思えるが、あらゆる種類のウイルスの拡散を防ぐことができる。昔ながらの洗浄方法である石鹸と水、清潔なタオルに比べると、手指消毒剤の効果ははるかに劣る。
(3) マスク着用は依然として議論の的となっているが、飛行機や電車、バス、空港などの混雑した場所では、顔の形に合ったN95やKF94などの医療用マスクを着用することで、各種ウイルスから身を守ることができる。また、既にウイルスに感染している場合には周囲の人々を感染から守る手段となる。
(4) 自分や家族に症状が現れている場合、旅行の延期を検討することを強く勧める。そのような状態で旅行を決行しても誰も楽しい時間を過ごすことはできず、休暇中に喜びではなくウイルスを広めることになる。
(5) 鼻腔用生理食塩水を使おう。これは恐らく薬とは呼べないが、最も単純な薬でもある。メーカーや形状は問わない。呼吸器ウイルスが流行する季節、特に旅行中に鼻腔用生理食塩水を定期的に使用することで、呼吸器病原菌の大半が侵入する起点となる鼻腔内のウイルス量を物理的に減少させることができる。これにより、多くのウイルス感染症の発症率や重症度、持続期間が減少することが示されている。
(6) 基本に立ち返ろう。睡眠を取る。運動をする。健康的な食事を適度に取る。アルコールの摂取を最小限に抑える。確かに、パーティーや祝祭の食事を楽しんだり、年末年始の仕事や課題の締め切りに追われていたりする時期に言うのは簡単だ。しかし、これらの基本事項をどこかに書きとめ、少なくとも週に数日は実践することを目指してみよう。
(7) 免疫力を高める製品はどうだろうか? こうした製品が何であるか、どんな効果があるのかについてはさまざまな議論や誤解が飛び交っている。私たちの免疫系は複雑であり、食品やサプリメント、デトックスでそれを変えることはできない。だが、この冬にビタミンCを少し多めに摂取することで気分が良くなるなら、オレンジジュースのグラスを掲げてライナス・ポーリング(訳注:ビタミンCを大量に取る健康法を提唱した米国の生化学者)に乾杯しよう。ただし、余分な栄養素は排尿時に排出されてしまうことを忘れないでおこう。
確かに今年のインフルエンザは例年より深刻かもしれないが、感染増加の段階としてはまだ早い時期にあり、予防策を講じるには十分な時間がある。ワクチンは予防効果をもたらし、今後数週間から数カ月間にわたってリスクを軽減する選択肢は複数存在する。


