39歳で初就職し、解雇、転職、起業を経験した末に「ドムドムハンバーガー」社長に就任した藤崎忍さんは、「自分の持てる力を最大限、会社のために使ってみるのもいいもの」と言います。
利益も人も大切にしながら、いい仕事をするヒントを、著書『39歳、初就職。』(世界文化社)から一部抜粋、再構成してお届けします。
仕事中は会社軸で
働く目的や意味は人それぞれ違います。自分の価値観や信念に基づいた「自分軸」で考えるものですから、違って当然です。
一方会社にも、経営理念やビジョン、事業戦略に基づく「会社軸」があります。会社側は被雇用者に対して、会社軸を理解してもらい、可能な限り従うことを求めます。その対価として、働く人に給料が支払われるという関係性です。道徳や労働基準法に反することなく、雇用契約が続く限り、この関係性は続きます。
わかりきったことですが、頭で理解していても、働いていると自我が前に出て「自分軸」で考えてしまうことがあるものです。そもそも会社選びは、自分軸でしか考えられないのですから。私自身、社員だった時代があり、今も雇われ社長ですから、その気持ちはとてもよくわかります。
ただ私は、自分の中に会社軸を持ったほうが、働く意義や満足感を得られやすいと感じています。
それは、いわゆる〝社畜〟になれという意味でも、上司の言いなりになれということでもありません。与えられた仕事に対して、「会社の利益のためにどうしたらいいか、会社がより成長するにはどうすべきか」と考えて行動するということです。
そうやってプロフェッショナルに徹して考えた際には「会社のためになる」と思えば、上司への進言や提案もためらわずに行うことができます。
トラブルに直面したり、ミスをしたときも同じです。一個人の問題ではなく、会社全体の問題として捉え、会社の不利益にならないようにすべきことを考えることができるのです。私は会社軸であったから、こだわらない様々なチャレンジができましたし、その仕事に対する満足感を得ることができました。
入社したら「すべては会社の為に」。
これは強烈な言葉かもしれませんが、会社軸を持つとはそういう意味だと思います。自分の持てる力を最大限、会社のために使ってみるのもいいものです。
しかしながらそれを、「自分自身が消耗される」と感じてしまう方もいるかもしれません。
それでも、私は会社軸で働くほうがいいと思っています。その行為が、自分自身を守ることにもなるからです。
例えば、上司に営業成績について注意された場合。それは仕事について注意されているのであって、自分という個人が注意されているわけではありません。
未熟な上司の場合には、個人にフォーカスして傷つけるような言葉を使ってくることもありますが、あくまでもその言葉は、本来は仕事や業務について向けられるはずのもの。自身が否定されていると思わなくてもよいのです。
そもそも仕事がなければ受けることのない言葉ですから。社内の人間関係も同じように考えると、ずいぶん楽になると思います。



