39歳で初就職し、解雇、転職、起業を経験した末に「ドムドムハンバーガー」社長に就任した藤崎忍さんは、なぜ「自信はなくていい」と言うのでしょうか。
利益も人も大切にしながら、いい仕事をするヒントを、著書『39歳、初就職。』(世界文化社)から一部抜粋、再構成してお届けします。
働きがいの見つけ方
組織の中で働いていると、職場環境やコミュニケーション、業務の進め方などで「こうしたほうがいいのに」と思うことが多々ありますよね。一方で「自分の立場でできることは限られている」という現実が立ちはだかるものです。その現実を前にして、現状をよりよくするための行動を起こす人と、何も行動しない人がいます。どちらが心の満足度や働きがいを得られるでしょうか。
前者は問題を自分事として捉えられる人で、後者は問題を他人事のままにする人と言い換えられます。働きがいを見つけやすいのは、自分事として捉えて行動を起こす前者の人です。
この二者の違いは、チャンスを掴みやすい人と、掴みにくい人の違いでもあると感じています。チャンスに巡り合ったら、自分事として取り組んでみる。すると何らかの結果がでる。満足のいく結果であれば成功体験となる。万が一不調であっても学びを得られる。成功失敗にかかわらず、それは次への大切な経験になります。これらを繰り返していると、いい流れができるのだなと思います。
そこに成果が伴ってくると、心の満足度が上がり、働きがいに変化していきます。流れに乗るためにも、最初に目の前のことを自分事として捉え直すことがスタートになるのではないでしょうか。
断るときに添えるひと言
チャンスがきたとき、やりたい気持ちはあっても、子育てや介護に追われていたり、ほかの仕事との兼ね合いがつかなくてできない場合もあります。また、ドムドムでも、資金的な折り合いがつかなくて、断念するケースもよくあります。
その際ははっきりと、提案いただいた方に「資金投下できる余裕がない」と伝えますが、前置きとして必ず「とても魅力的なお話で、できればやりたいのですが」と、やりたいけれどやれないという意思表示をします。



